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内容説明
電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。
江戸時代は大災害が集中した、日本史上でも稀な時期である。
江戸を焼き尽くした明暦の大火、富士山の大噴火、日本史上最大級の宝永地震、度重なる飢饉などの記憶は今も語り継がれている。
一方、幕府や藩、地域社会、家の各レベルで人々が防災に取り組んだのも江戸時代に入ってからだった。
いのちを守るシステムはいかに形成され、いかに機能しなくなったのか。
災害と防災から見えてくる新たな江戸三百年史の試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
64
江戸開府から明治維新まで、時の権力が如何に災害と向き合ってきたかを説いた一冊。こう通して見ると地震に噴火、飢饉に火事と、この列島が次から次へと災害に襲われている事が実感できる。現代で乗り越えられたのは飢饉くらいか。そして本書は単に何時どのような災害が起きたかという通史ではなく、再興の中心が幕府から藩へそして地方の有力者へと移り変わっていくのを丁寧に論じている。幕府も藩も対処はしっかりしているのだが、後年になるとシステムの疲弊が目立つなあ。江戸時代の災害を様々な角度から分析した、読み応え十分の一冊でした。2017/01/14
佐島楓
58
通史にかぶせるように実際に起こった災害が書かれているので、当時の世相や政治との関連性がわかりやすくなっている。地震や大水、飢饉にさらされるたびに成熟していく社会保障システム、また江戸末期におけるその衰退など、まとまった勉強ができた。現代の首都直下地震も本当に待ったなしだということもよくわかった。2016/08/01
うえぽん
51
日本近世史の専門家が、江戸期の火山噴火、地震、火災、飢饉、疫病等の災害とその対応の歴史を概観。家・親族のネットワーク、村や町の扶助、領主による救恤が自助・共助・公助の原型をなし、激甚災害における公儀=幕府の救済機能への期待と藩や民間の力の動員は、現代日本の災害対策の構造に驚くほど相似。安政期に、東海南海地震、江戸地震、コレラ流行が続く中、幕府は藩に自立を求め、地域間利害の調整力が落ち、領民の救済に消極的な藩で一揆や打ちこわしが慣行化し、地域内分裂が深まったことが幕藩体制の弱体化に寄与した歴史を理解できる。2026/04/18
bapaksejahtera
18
江戸時代の三百年近い間、我が国を襲った災害と、これに対処した公儀(幕府を中心とする体制)の対処振りと、これに応ずる民衆の意識と行動を説く。冒頭江戸時代に3度繰り返した小氷期と小間氷期のセットが提示され、以下これに応じ繰返される気象災害、更に頻繁に襲来した地震と津波の被害を主に述べる。幕府が藩に分国支配を許す権力である「公儀」が、災害対応を通じ、次第に「公共」の性格を帯びる。それが経済の拡大につれ、公儀が村落や都市の民間力量に依存するようになると、「公共」の意識は民間にも波及する。現代人に警鐘を鳴らす著作。2024/03/13
rokoroko
18
江戸時代の災害の歴史と幕府や藩のそれに対する処置の仕方・・飢饉になるとわかると米を売らずにためて民が飢えない様にした藩。それぞれのありようが面白い2023/08/16




