内容説明
古典から現代に至る中国文学を「ミステリー」の側面からアプローチ!
中国におけるミステリー作品は、シャーロック・ホームズや
アルセーヌ・ルパンが登場するよりも、1500年以上前に誕生しており、
世界最古のミステリー文学にして、現代でも十分通用するトリックに
満ちているといわれている。
中国文学において「ミステリー」作品はどのような変遷を遂げてきたのか、
無類のミステリー好きであった中国文学者が
大いなる好奇心と豊富な学識から、全貌を解き明かすーー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
48
中国でのミステリーの萌芽を紐解く一冊。漫画『千年狐』(張六郎)の原典である『捜神記』にもミステリー仕立ての話はあったから随分、昔から中国ではミステリーがあったのだなと感嘆しきり。人間関係の機微や不自然さが謎を解く鍵となる心理ミステリーや死者が蘇ったり、夢の中で証言したりするホラー的展開もあったりと多種多様なミステリーが生まれていた中国が羨ましくてならない。でもやってもいない罪への自白へ導き、冤罪を産む拷問は絶対、やっちゃダメ!2025/06/17
よっち
23
中国文学においてミステリ作品はどのような変遷を遂げてきたのか。無類のミステリ好きであった中国文学者が大いなる好奇心と豊富な学識から、全貌を解き明かす1冊。中国ではミステリめいたものは六朝時代の3世紀中頃からすでにあって、16世紀の明末に公案小説というジャンルが生まれ、公案ものに武侠的小説と絡めたり、西欧インパクトで生まれた偵探小説までの流れ、そして「包公案」を始めとするトリックを用いた犯罪小説や未邦訳の作品なども多数紹介されていて、中国にミステリの概念が生まれる前にもこんなにあったんだなと驚かされました。2025/01/08
さとうしん
14
六朝志怪小説から唐代伝奇、三言二拍、公案小説などを経て新中国成立あたりまでの中国のミステリーの系譜を辿る。ミステリーもほかの伝統文芸と同様、先行作品による典故の積み重ねで成立している。近代になると西洋のミステリーの翻訳も行われるが、ホームズの翻訳などは日本よりも早かったという。しかし武侠小説まで扱ったなら現代の古龍作品も扱ってほしかった。末尾の21世紀の程小青・孫了紅誕生の予言は実現しているが、著者は亡くなる前にそれを知っていたのだろうか?2024/11/09
アカツキ
12
3世紀中頃から20世紀中頃までの中国ミステリー作品を追っていく。物語のあらすじ、挿絵が豊富なのが嬉しい。中国の古典って面白いけれど、拷問で自白強要するのはどうなんだろうと毎回思う。そして、シャーロック・ホームズをきっかけに中国ミステリーは近代化したという。中国でも愛されてるのね。2025/01/13
Ise Tsuyoshi
3
3世紀から20世紀まで、中国の「偵探小説」史。井波律子さんの博覧強記ぶりが相変わらず凄い。「聊斎志異」は部分的に読んだことがあるけど、いわれてみればミステリー仕立ての話も結構あった。ホームズ、ルパンの翻訳が受け入れられる素地はあったのだなあ。後書きで紹介されている「乱歩全集と内藤湖南全集で悩んだ揚げ句に乱歩全集を買ってしまった」という井波さんのミステリー好きを表すエピソードは笑えた。文庫化で巻末にあったという連環画が割愛されてしまったのが残念。どんな作品が載っていたのか気になる。2025/01/22
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