内容説明
シングルマザーの美苗は、兄夫婦と両親、祖母が引っ越したばかりの家に幼い娘とともに身を寄せる。そこは有名な事故物件で「ある部屋に絶対に足を踏み入れてはいけない」と言われている。誰もいないはずの部屋から足音が聞こえ、眠ったままの娘がなにかに手を引かれるように寝室を出て行く。この家はどこかがおかしい……。美苗は霊能者を名乗る女性に助けを求めたが、ついにある日、その部屋から娘が意識のない状態で発見される。娘を助けようとする美苗は、この家に隠された、驚愕の過去を知る――。
第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞を受賞した著者による、戦慄の「家」ホラー!
【電子書籍特典】 特別書き下ろし短篇 「人形つくりの家に関する話」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
114
怖い、キツい一冊。今まで見てきた数ある物件ホラーの中でもこれは上位にくる怖さ。両親、兄夫婦、祖母と大家族で夢のような豪邸に暮らすことになったシングルマザーの主人公。快適な生活が待っているかと思いきやそうは問屋が卸さない。絶対に足を踏み入れてはいけない部屋からの物音、何かが、家族が、いや、あの人がおかしい。噛み合わない会話、引っ越したくても無理な状況というキツさの相乗効果で恐怖は増し増し。明るい幕間のおかげでちょっとだけ緩和されたけど。友引人形って初めて知った。タニシさんに住んでもらいたい物件、ここに有り。2024/11/29
yukaring
80
「この家からは誰も出られない」容赦のない怪異とヒトコワが混ざりあう身の毛のよだつ“家”ホラー。大家族7人が暮らすいわく付きの家。シングルマザーの美苗と幼い娘、美苗の両親、兄夫婦、認知症の祖母が暮らす家は近所でも有名な事故物件。しかしある条件さえ守っていれば問題なく暮らせるはずだったのに…。誰もいない部屋から聞こえる足音や話し声は段々とエスカレート、夢うつつに手を引かれて入ってはいけない部屋へ連れていかれる家族たち。1人1人と家族が減る中、平然と過ごす兄嫁の真意。ラストの仕掛けも鮮やかな新感覚の物語だった。2024/11/13
眠る山猫屋
55
シリーズ2冊目、事故物件に住む事になった一家がジワジワと侵食されていく経緯と、拝み屋の一種である“よみご”のシロさん(志朗貞明)の引っ越しが交互に語られていく。シングルマザー内藤苗美やその家族が事故物件に越さざるをえなかった事情、兄嫁である綾子の抱えた思いの微妙な掛け違いが、怪異をより強固にしてしまう。簡単には逃げられないよなぁ。そしてシロさんたち、いつ事態に関わってくるかと思ったら・・・。構成の妙に唸る。優しい霊能者鬼頭さん、二階堂くんが和む好キャラ。寂しさ故の狂気が家族を求め、引き摺り込んでいく物語。2024/12/20
ままこ
53
『みんなこわい話が大すき』で活躍した「よみご」と称する盲目の拝み屋志朗とボディガード黒木再登場。シングルマザーの美苗は実家が購入した「入ってはいけない部屋がある」曰く付きの家に住むことになったのだが…。元凶も怖いけど兄嫁がだんだん怖くなる。最初はみんな重宝してたのにな。何故?と引っかかってたことがあんなふうに繋がるのか。パタパタッ悪意なき怪異にゾッとする。キャラ立ちするコミカルさもある家系囚われホラー。あんな家に絶対一緒にくらしたくない。鬼頭さん凄い!「どぉ─────────────ん」怖面白かった。2025/02/06
ケイト
50
いくら安いからって事故物件に住むなんて何かあるに決まってる。大家族で住むのが楽しいと拘る兄嫁に違和感アリアリ。入ってはいけない部屋って何?夜だけだったのに一日中聞こえる足音と話し声。思わず背中がゾワーってする。幕間に出てくる”よみご“と言われる霊媒師、ちぎって捨てる?・・・そんなやり方があるのかと少しおかしかったけれど。やっぱりこんな怪異嫌だーーー。2025/03/29
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