内容説明
奇想の天才が放つ、7つの童話を基にした万華鏡のような新作短篇集、
2024年のローカス賞短篇集部門受賞作品。
親切な白猫の大麻農園(『白猫の離婚』)、
妖精の婚約者が眠る地獄の底(『地下のプリンス・ハット』)、
主人だけは絶対に入れてはいけない家(『スキンダーのヴェール』)……。
夢と幻想、誘惑と謎に満ちた摩訶不思議な物語。
変幻自在の物語の魔術師、ケリー・リンクの世界へようこそ――。
原題:White Cat, Black Dog
装画:ヒグチユウコ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
157
ヒグチユウコの装画に魅かれて読みました。ケリー・リンク、初読です。童話インスピレーション幻想短編集、オススメは、『白猫の離婚』&『地下のプリンス・ハット』&『スキンダーのヴェール』です。 https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-773530-7 2024/11/27
chimako
63
元のお話が見えてこない七つの短編。七つ中元話を知っているのが「ブレーメンの音楽隊」と「ヘンゼルとグレーテル」の二つなので見えてこなくて当然と言えば当然か。それにしても、分からない。世界幻想文学大賞を受賞した作家らしいひねりなのかも知れないが、平凡すぎるおばあさん読者には手に負えなかったというのが正直な感想。表紙も誂えも好きだが、どうにもこうにも。2024/12/19
藤月はな(灯れ松明の火)
49
久しぶりのケリー・リンク作品は各地の御伽噺を現在にブラッシュアップ。「白猫の離婚」は年取った富裕層の身勝手がこう解消されるとは、何て爽快なの!ヘンゼルとグレーテル×SFな「粉砕と回復のゲーム」は『断章のグリム』でも言及されていた「グレーテルはどうなったか」が同じく取り上げられていてオオっと思ったし、「地下のプリンス・ハット」は王子様を助けに行くのは50代の男性というのも現在的。メビウス時空な「スキンダーのヴェール」は再読。エッ、これってシャーリー・ジャクソン繋がりじゃなかったの!?2025/03/08
あたびー
34
お伽噺を題材に、舞台を現代や未来に置いた短編小説。大体の話は元のお伽噺の影を見つけることが出来たけれど、「白い道(ブレーメンの音楽隊→地名だけ)」と、「粉砕と回復のゲーム(ヘンゼルとグレーテル→兄妹だけ)」では殆ど分からなかった。姿を消した恋人を訪ね歩く「地下のプリンス・ハット(太陽の東 月の西)」と、クリスマスに雪が降ると現れる謎の男性に惹かれる少女「貴婦人と狐(タム・リン)」、幻想的なアルバイト「スキンダーのヴェール(白雪紅薔薇)」が美しくて好きだった。2025/02/18
ぽてち
28
古くから伝わる童話や民話を下敷きに、まったく新しい物語に仕立てた短篇集。超有名な作品を含む7篇が収録されている。明確に読んだと言えるのはグリム童話の2作品だけだが、この2作品すら内容はおぼろげにしか覚えていないので、元作品との違いはよくわからなかった。ただ、元ネタを知らなくても幻想・怪異譚として十分に楽しめると思う。初読みの作家さんだが、世界幻想文学大賞をはじめ、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞などを受賞しているらしい。過去作の翻訳もあるようなので読んでみたい。2024/11/23
-
- 電子書籍
- 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY…
-
- 電子書籍
- 密会の城【分冊】 12巻 ハーレクイン…
-
- 電子書籍
- 日本極道史 ~昭和編~誇り高き戦い 第…
-
- 電子書籍
- 眠り王子と幻書の乙女 1 ビーズログ文庫