内容説明
どうして、わたしなんかを選んだの?
行き場もなく夜の街をさまよっていた家出少女チル。ある夜、路地裏に突如降ってきた黄金の髪を持つ美しい男。その口が発したのは――「うまれかわりを、のぞまれますか?」「我が王よ」
かくして、チルは異世界に取り込まれる。破れたマントを胸に抱えて迷い込んだのは、かつて豊かな織物の国と呼ばれた動乱の国リスターン。
一度はすべてを諦めた無力な少女は、荒廃した国を救い、王となり得るのか。少女文学の旗手が贈る、ドラマチックロマンファンタジー。
『ミミズクと夜の王』から17年。こんな紅玉いづきを、待っていた!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
行き場もなく夜の街をさまよっていた家出少女のチル。ある夜、路地裏に突如降ってきた黄金の髪を持つ美しい男と出会い、異世界に取り込まれるファンタジー。破れたマントを胸に抱えて迷い込んだ、かつて豊かな織物の国と呼ばれていた動乱の国リスターン。愛されたいと願い、一度は全てを諦めた無力なチルは、聖獣に選ばれて王となってもなぜ自分が選ばれたのかと疑問を抱えてしまう少女で、荒廃した国を救おうと悪戦苦闘しながらも、動乱に巻き込まれてゆく中で恐怖や葛藤に向き合い、最終的に自らの覚悟で選び取ったその結末が印象的な物語でした。2024/11/28
まそお
26
よい旅をした。決して楽しいばかりの旅ではなかったけれど。思春期のこどもが自分の居場所を探す話と言ったら身も蓋もないけれど、かつて居場所を求めてここじゃないどこかをねがったことのある人にはきっと刺さる。少女の頃に読んだら号泣しただろうな~。まぁ今もちょっと泣いたんですけど!とはいえここじゃないどこかなどどこにもないと理解してからが人生は本番なんだよな!2025/01/02
イシカミハサミ
20
紅玉いづき版“十二国記・陽子の物語” 剣と魔法の世界観にくらべて、 ストーリーはめでたしめでたしなファンタジーで、 著者が紅玉さんじゃなければあまり楽しめなかったかもしれない。 これまで重ねてきた筆がこの作品を読ませる。 おさげ髪にセーラー服という少女性が、 全てを護る鎧を纏う女騎士に出会う。2024/11/19
さとみん
13
あらすじと作者名に仰天して手に取ったが、確かにこれは紅玉作品。ラブストーリーではない強い恋の話であり、守られなかった子どもが居場所を見つける話でもある。何よりチルが出会った人たちが真っ当な大人だったことがとてもいい。そして甘さのない大人の事情と、繋がりのある世界観も好みだった。2024/11/01
冬野
12
やはり紅玉いづきさんのファンタジー作品は素敵。聖獣クリキュラに見出だされ、リスターンの王に選ばれた少女チル。少年少女が運命という外的要因で生き方を決められるのは残酷なことでもあって。チルが終始庇護されるべき子供として扱われるのが印象的であり安心感もあった。紅玉さんが少女側から保護者側になったからなのかも。私も紅玉作品と一緒に年を重ねてきたので感慨深い。庇護者のマニージェとビージャンの唯一無二の関係が好き。行間から異国の風や香り、馬の蹄の音やきらびやかな布のはためくさまが感じられる作品、堪能した。星:5/52024/11/12
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