鎌倉幽世八景

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鎌倉幽世八景

  • 著者名:藤沢周【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 鳥影社(2024/10発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784867820704

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内容説明

観光地カマクラの白日の下に、屍の蔵たる鎌倉の、幽玄なる景色がここに現われる。

谷戸、切通し、やぐら、古刹と地蔵。
喧噪の都市の奥深く透視される悠久の中世の時間。
魔術たる作家の筆が、もののふの声を呼びおこす。
観光地カマクラの白日の下に、屍の蔵たる鎌倉の、幽玄なる景色がここに現われる。
(富岡幸一郎)

扇ガ谷、十王岩、袖塚、唐糸、飢渇畠、太刀洗、腹切やぐら、化粧坂……鎌倉の地に現存する「八景」は古の戦いと悲哀の歴史を今日まで伝えている。

付録 文学における土地の力 対談 藤沢 周×佐藤洋二郎

「季刊文科」連載作が待望の単行本化!

【著者】
藤沢 周
藤沢 周(ふじさわ しゅう)
1959年、新潟県生まれ。法政大学文学部卒業。書評紙「図書新聞」の編集者などを経て、93年「ゾーンを左に曲がれ」(『死亡遊戯』と改題)でデビュー。98年『ブエノスアイレス午前零時』で第119回芥川賞を受賞。著書に『サイゴン・ピックアップ』『オレンジ・アンド・タール』『雨月』『さだめ』『箱崎ジャンクション』『幻夢』『心中抄』『キルリアン』『波羅蜜』『武曲』『武曲Ⅱ』『界』『武蔵無常』『サラバンド・サラバンダ』『世阿弥 最後の花』『憶 藤沢周連作短編集』など多数。

目次

扇ガ谷
十王岩
袖 塚
唐 糸
飢渇畠
太刀洗
腹切やぐら
化粧坂

付録 文学における土地の力 対談 藤沢 周×佐藤洋二郎

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

97
鎌倉に住まわれている藤沢さんが、そのちょっとした鎌倉(あまり有名でなく人が少ないところ)の場所での話を紡いでくれています。8つの短篇ということで、一つの話が短いのですが、現在と過去にあった歴史的な話がつながるような感じでちょっとした怖さも与えてくれます。印象に残るのは「袖塚」「唐糸」「大刀洗」でした。また作者と佐藤洋二郎さんの「文学における土地の力」という対談も楽しめました。2025/04/14

ダミアン4号

42
屍が山を成す場所=屍の蔵だから“かばねくら”鎌倉…地名の由来がなんともおどろおどろしい。大河ドラマの“鎌倉殿の13人”の影響で源平合戦、後の権力闘争を思い描きいくつかのエピソード(の登場人物)はその時の様子を思い浮かべた。刑場となった由比ガ浜の様子は曹洞宗の開祖“道元禅師”を描いた映画からイメージを膨らませ…鎌倉に通じる切通。実はまだ行った事がない。いくつかは立入を制限されている様ですが訪ねてみたい。同じ様な“幻”を見てしまうんだろうか…天寿を全うできなかった無念がかの地には今も彷徨っているのかも知れない2025/02/27

うきぽんぬ

3
鎌倉へは2度訪れた記憶があるけど、また旅に出たくなったなぁ。ビビりの私でも読めるゾワゾワ感でした。実際に訪れたらそんなこと言ってられなさそうだけど😱2024/11/27

CEJZ_

1
1P15行。2024年刊。短編集。挟み込まれていた読者ハガキを見て、鳥影社というのは長野の諏訪にあるのかと知る。土地の史実をからめた幽玄な出来事。題名に鎌倉とあるだけあって、今回は鎌倉の各所の話だ。『憶』や『界』やほかの作品でも、その土地柄から起因する物語は怖さ不穏さ、不気味さにゾッとする面もあるが興味深い。日本海側にいて鎌倉のことは知らないが、藤沢周のことなら少しは知っている。二十年来、FM新潟『週刊アコギ倶楽部』で、毎週藤沢周の声と近況を聴いている。巻末の佐藤洋ニ郎との対談も良かった。2025/10/19

福井 康

1
鎌倉の谷戸を巡りながら、照らされたり、翳ったり、蠢いたりする何かを感じながら時空を跨いで散策出来る作品。この本のおかげで天園ハイキングコースからの真冬の若宮大路を一望することが出来ました。2025/02/23

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