文春e-book<br> おとこ川をんな川

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文春e-book
おとこ川をんな川

  • 著者名:唯川恵【著】
  • 価格 ¥2,000(本体¥1,819)
  • 文藝春秋(2024/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163919065

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内容説明

恋愛小説の名手が満を持して描く故郷・金沢の女たち

金沢の花街に生きる2人の芸妓。恋することすら許されぬ場所で、彼女たちが掴んだものは――。

【担当編集者より】
 3年ぶりの新作で描くのは著者の故郷・金沢、昭和初年頃の花街です。デビューから40年、一貫して女性の恋愛や友情、生き方を描いてきた唯川さんらしく、本作で描かれるのも、置屋「梅ふく」で働く女性たちの生き様です。
 主人公の朱鷺やトンボをはじめ、登場する女性たちは一人として恵まれた境涯の者はなく、余儀のない選択として花街に生きています。
 こう書けば、ただ辛いだけの物語のように思われるかもしれません。確かに彼女たちの眼前には次々と御し難い問題が現れます。しかし、唯川さんの描く登場人物たちの、健やかで瑞々しくどこまでも気持ちのいいこと!
 それはきっと彼女たちが自らの運命を受け入れる覚悟をし、逆境を逆境として飲み込んだ上で、それでも前を向いて歩いているから。彼女たちにエールを送りながら読んでいると、最後には読んでいるこちらも明日からまた頑張ろうという気持ちになるはずです。
 昭和の初めに比べれば、人生の選択肢は比べようもなく増えた現代ですが、選択肢が無数にある自分たちの方が、かえって周りに流されていないだろうか。そんな問いかけが聞こえてくるようです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

188
唯川 恵、3作目です。金沢出身の著者が、金沢芸妓の生き様&哀しみを描いた連作短編集、オススメは、表題作「おとこ川をんな川」&「かそけき夢の音」です。 私は、以前金沢芸妓のお座敷遊び体験をしたことがあるので 、親近感が湧きました。 https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/article/detail_26.html https://books.bunshun.jp/articles/-/94812024/11/22

いつでも母さん

143
昭和の初めの金沢花街・置屋「梅ふく」を舞台に芸妓・朱鷺とトンボの物語。2人の生い立ちとそこで生きる女たちの悲しみと逞しさ。芸妓として一人の女として、捨てたもの、掴んだもの・・そして守るもの。7話の連作、特に表題作になっている1話目と最後の話が好い。切なさと、意地と、覚悟がとても好かった。金沢言葉が少し理解しきれなくはあったが、雰囲気で読んだ(笑)2024/12/06

ウッディ

113
おとこ川、をんな川と呼ばれる犀川と浅野川が街を貫く金沢の花街で、芸妓として生きる朱鷺ととんぼ。様々な出自や事情を抱えながらも、芸一つで生きることを決めた女の強さと男の裏の顔を知りながらも、恋には疎い女の脆さ、そして異国の血を引き、男勝りなとんぼと諫め役の朱鷺、対比が見事でした。それでも芯の強さは共通し、互いを思いやる友情も素敵で、唯川さんらしい安定の筆致でした。偏見やハラスメントに溢れた花柳界でも、近くに理解ある人がいることで、こんなに生きやすくなる。そんな著者のメッセージも込められていた気がしました。2025/06/05

machi☺︎︎゛

90
昭和初期、金沢の花街の置き屋「梅ふく」での話。朱鷺ととんぼの2人の芸妓がメインに進んでいく。ここではいろんな事情で売られた女の子達が働いていてそれぞれに幸せをつかんでいく過程が興味深く楽しめた。その土地の言葉や時代背景は古いけど唯川恵さんの言葉は分かりやすくスラスラ読めた。登場人物みんなが個性が強く男勝りで読んでいてスカッとする場面もたくさんあった。2025/01/17

のぶ

78
金沢の花街の置屋、梅ふくで芸妓として売られた朱鷺と、捨て子だったトンボに、その周りの人間模様。清楚で我慢強い朱鷺、見た目もハーフで華やかなトンボ。正反対の二人が花街で暮らし、家族愛、男女の愛、守るべきもの、など成長し悩み流れに飲まれながらも良い芸妓になっていく様子に爽やかさを感じた。嫌な男も女も、いい男も女も様々。どの時代、どの場所にもややこしい人間関係はついて回る。会話の金沢弁の優しい響きも心地よく、このふたりのキャラが良かったので、後日譚を読みたい。楽しい読書だった。2025/02/27

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