内容説明
代筆の依頼を受け福岡の某村に向かった作家。そこには死人の口に髪の毛を詰めて弔う風習があった。幽霊の存在に怯える住民たち、さらに奇妙な死体が出て……? 第44回横溝賞<読者賞>受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
73
オカルト色強めの因習ホラーミステリ。よく行く本屋さんの店員さんがこの本を書かれたということで、お店に山積みで激押しされていたので早速購入。死者の口に髪を詰めるという奇妙な風習のある田舎の名家にやってきた作家の出雲。なぜか髪の毛で首を吊ったという老人の死体の『死に番』をさせられることに。寝ずの番のはずが眠ってしまい、目覚めると死体は別人に入れ替わり長い髪の毛が周囲を埋め尽くす事態に。屋敷に伝わる怪異の仕業なのか?少し詰め込みすぎでごちゃごちゃしてるのが残念だがキャラ強の登場人物たちの掛け合いも楽しかった。2024/10/29
aquamarine
61
仕事の依頼により作家・出雲秋泰が向かった祝部村には、死者の口に髪を一房詰める等、とても悍ましい因習があった。折しも依頼者の屋敷には身元不明の老人の怪死事件があり、彼は死体の番をすることに…。悍ましいとはいえ、まず起きるのが何重かの密室の中に現れた大量の髪の毛と死体の入れ替わりという怪異で、ホラーよりミステリの匂いを感じ夢中になった。探偵役の怪談師・無妙がいい味を出しているのも楽しい。とはいえ、ミステリ的解決があってもこの因習そのものと、これが出来上がった経緯はホラー以外の何物でもないだろう…。 2024/11/26
らすかる
25
タイトルと表紙からめっちゃホラーなんだと思って読んでみたらしっかりしたミステリーでした! 横溝ミステリーを受賞しただけあって因習と妄執と愛憎渦巻く濃いめの内容。そして隠隠鬱鬱とした事件の中で一際艶やかなパンクファッションに身を包んだ無妙の存在。良かったです~。2024/12/06
佐倉
13
財界の大物・匣金蔵の自伝のゴーストライターとして匣家の屋敷がある祝部村に赴く出雲。執筆の条件として前日に出た死者の死番を務めさせられることになった出雲だが、夜が明けると遺体は金蔵のものにすり替わっていた。不可解で不可能な密室殺人、金蔵の過去と長い髪の幽霊、「髪が口に入ると祟られる」「死者の口に髪を詰める」といった髪に纏わる不気味な俗信や風習たちが絡み合う。果たしてこれは殺人事件なのか怪異の仕業か。全編是外連味とも言うべきホラーミステリ。横溝・京極・三津田が好きな人が好きなものが詰まってて実に良い。2024/12/03
ettyan えっちゃん
13
面白った この作者さんデビュー作かと思っていたら、1冊出ているので、読みたい。 「花霞紅莉の怪異調書シリーズ 僕の瞳に映る僕」 これも、楽しそう。 2024/11/02