内容説明
投映法の一つであるバウムテストをはじめとした描画テストは,心理アセスメントに欠かせないツールとしてさまざまな臨床現場で用いられているが,使いやすい一方で,解釈の過程や検査結果について,「言葉にするのが難しい」,「まとめるのが難しい」といった声も聞かれる。
本書では,そのような初学者の声にこたえるべく,描画テストの事例検討会を主宰する著者が,その実施法,解釈の進め方,所見のまとめ方についてわかりやすく丁寧に解説する。
第I部では,さまざまな描画テストの紹介にはじまり,導入と教示,行動観察や描画後の質問(PDI)の説明,また,全体的評価,形式・内容分析,描画指標のまとめ方について食レポやコアイメージの演算といった著者独自のたとえを巧みに使いながら,解釈過程を描きだし,所見やフィードバックの要点が述べられる。第II部では,架空の事例検討会を通して第I部で学んだことを再確認し,参加者によるディスカッションのポイントを講師がまとめていく。さらに,初学者からの質問とそれに対する回答をまとめた補講を付した。
絵の解釈過程に焦点を当てた本書は,初学者だけでなく,心理臨床の現場で働く専門職や心理アセスメントの教育や指導に当たっている教員にも大いに参考となるであろう。
目次
序 文
はじめに
第I部 講義編
第1章 描画テストを実施するための基礎知識
1.心理アセスメントと心理テスト
2.描画テストの特徴
3.描画テストの選択
4.テストバッテリー
第2章 描画テストの実施
1.テストの準備と導入
2.教示
3.行動観察
4.描画後の質問(PDI)
第3章 描画テストの解釈過程
1.全体的評価
2.形式分析・内容分析
3.個人間比較と個人内比較
4.解釈仮説のコアイメージを理解する
5.特徴を立体的に読み取る
第4章 所 見
1.心理テストの所見に関する文献レビュー
2.被検者の日常につなげて書く
3.自分の言葉で正確に書く
4.フィードバック
第II部 事例検討会編
第1章 臨床情報からの仮説生成
1.事例概要を聞きながら仮説を立てる
2.心理テスト当日の様子と質問紙テストの検討
第2章 描画テストの実施
1.率直な感想からスタートする
2.PDIにおいて何を質問するのか,しないのか
3.絵とPDIの関係性
第3章 描画の解釈
1.絵の細部に目を配る
2.意味のある特徴を選択する
3.解釈仮説をつなげてまとめる
第4章 所見とフィードバック
1.所見を書く
2.Clにフィードバックする
3.描画テストから心理面接へつなぐ
4.事例検討会を終えて
初学者のための補講
Q1:描画テストの勉強を始めるとしたら,バウムテストからですか?
Q2:どうしたら仮説が立てられるようになりますか?
Q3:描画テストを「受けたくない」と言われたらどうしたらいいですか?
Q4:全体的評価の苦手意識はどうすれば克服できますか?
Q5:ディスクリプションとバウムテストの整理表をチェックする方法との
違いは何ですか?
Q6:Clに自由に話してもらえるための配慮は心理面接と同じですか?
Q7:どうしても絵よりもPDIを優先して解釈してしまいます
Q8:先生や先輩の意見をきくと,自分の意見がなくなっていくような気が
します。
Q9:フィードバックによってClが傷つくことはないのでしょうか?
Q10:どうすれば描画テストの解釈や所見,フィードバックが上達しますか?
おわりに
文 献
索 引




