内容説明
【電子版巻末にはsora先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】
さびれた商店街の一角にある総菜屋「ふじの」の店主・恵麻は、
亡き祖母の味を守るため、赤字続きでも細々と営業を続けていた。
ある日、店の前で倒れているもふもふな生き物を発見する。
その生き物は、自分はこの町の神様だと言う。
たぬきの神様・きぬ様は、町の住人からのお供え物もなく毎日お腹が空いていた。
やたら食い意地の張った神様を介抱すると、
きぬ様は「お礼に店を繁盛させてやる」と言い、繁盛の“匂い”を探り始める――。
がんばる女子と、幸せを呼ぶもふもふ神様ののどかで美味しいストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
13
優しいストーリーだったと思います。きっとこんな風に商店街が復活するのが理想なんだろうけど、なかなか厳しいのが現実なのかもしれません。でも、ここには希望が詰まっています。そして、暖かい。買い食いコロッケまたやりたいな。2024/12/04
杳
2
ふわふわころころもふもふで食いしん坊の神様――きぬ様。 寂れつつある商店街にある祖母のお総菜屋を継いだ恵麻の作る料理の匂いに誘われて現れたきぬ様に、恵麻と一緒にほっこりした気持ちになります。 地方都市の過疎化は深刻な問題ではあるのだけれど、ずっと住んでいると気づけない良さが何かあるはずで――そして、その地元でずっと見守ってくれている神様もきっといるのかもしれない。過疎化の進む地方の町の出身者として、とても胸の温まるお話でした。2024/10/21
茶絵茶絵
1
昔からこういう小説を求めていた。夢が叶いました。メニューと人の繋がりとの温かさを描いた、大きな事件は起こらないけどほっこりする作品。こういう暖かいお話がずっと読みたかったのです。2024/11/30