岩波新書<br> 論理的思考とは何か

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岩波新書
論理的思考とは何か

  • 著者名:渡邉雅子【著】
  • 価格 ¥1,012(本体¥920)
  • 岩波書店(2024/10発売)
  • お盆休みの読書に!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~8/17)
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  • ISBN:9784004320364

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内容説明

論理的思考法は世界共通ではない.思考する目的をまず明確にしてその目的に合った思考法を選ぶ技術が要る.論理学・レトリック・科学・哲学の推論の型とその目的を押さえ,価値に紐付けられた四つの思考法(経済・政治・法技術・社会)を使い分ける,多元的思考を説く.不確実なこの世界で主体的に考えるための一冊.

目次

はじめに──論理的思考はひとつなのか
序章 西洋の思考のパターン──四つの論理
1 論理学、レトリック、科学、哲学の論理と思考法の比較表
2 論理学の論理
3 説得(レトリック)の論理
4 科学的発見の論理
5 哲学的探究の論理
第一章 論理的思考の文化的側面
1 何が〈論理的〉だと感じさせるのか
2 論理と文化──価値の選択と優先順位
3 論理と合理性
4 経済・政治・法技術・社会のそれぞれの論理
第二章 「作文の型」と「論理の型」を決める暗黙の規範──四つの領域と四つの論理
1 求められる作文の型を知る
2 経済の論理──アメリカのエッセイと効率性・確実な目的の達成
3 政治の論理──フランスのディセルタシオンと矛盾の解決・公共の福祉
4 法技術の論理──イランのエンシャーと真理の保持
5 社会の論理──日本の感想文と共感
第三章 なぜ他者の思考を非論理的だと感じるのか
1 「自己の主張」の直線的な論証(経済)とは相容れない論理
2 弁証法の「手続き」(政治)とは相容れない論理
3 「ひとつに決まる結論」(法技術)とは相容れない論理
4 他者への共感(社会)とは相容れない論理
終章 多元的思考──価値を選び取り豊かに生きる思考法
おわりに
参考・引用文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
著者は海外で学んでいるせいか、日本とほかの国の比較をして学びの方法からの思考法を教えてくれます。最初に西洋の思考パターンということで基本的な視点を説いて、その後にアメリカ、フランス、イラン、日本の4つの領域と4つの論理を例を挙げて説明してくれます。最後には多元的思考の必要性を説いています。新書にしてはもったいないようですがエッセンスがよくわかりもう少し詳しい本を読みたくなります。2024/11/28

たま

72
世界諸国の作文の型をアメリカ、フランス、イラン、日本の四つの型に分類し(1)、固有の「論理」と長所短所を整理する。中学でアメリカ人の先生の指導に衝撃を受け(2)、長じてフランス語でディセルタシオンを書かされたので興味深く読んだ。読メで書いている自分の感想がいつしか日本の感想文型になっているのが可笑しい。小学校高学年で毎週読書感想文を書いていたからだろう。著者と異なり私自身は感想文のもつ問題点を感じるが(3)、この本のように型に分類して考えると彼我の違い長所短所が良く分かりとても参考になる(4) 。 2025/02/06

うえぽん

55
教育学の専門家が、目的に応じて異なる専門領域の推論方式や異なる価値に結び付いた論理的思考法を使い分けるべきことを説いた書。論理学、レトリック、科学、哲学という異なる価値基準に基づいた形式論理的な判断では、合理的であるための必要条件が異なる。その上で、米・仏・イラン・日本の学校で課される作文の構造から、経済、政治、法技術、社会の各分野で重視される論理や推論の方法の違いを説明。主張-根拠-結論の米国型エッセイが唯一絶対ではなく、世界の価値観が多様化しているため、4領域を俯瞰した視点が重要というのは実に現代的。2024/12/24

たか

54
人から貸してもらった本。論理的思考について分かりやすく解説している。 日本で幼い頃から書かされる作文が、アメリカやフランス、イランとはまるで違う形式で書かれていることに驚く。国によって論理的思考の考え方も大きく異なるらしい。目的の主観性や客観性、形式や実質の違いから、経済領域・政治領域・法技術領域・社会領域において、合理的な思考方法が異なることに着目し、それぞれアメリカ・フランス・イラン・日本の教育で重視される作文形式に対応している。C評価2025/02/09

夜桜銀次

52
論理的思考とは「目的に応じて形を変えて存在する」という。4つの作文の型やそれぞれの歴史的背景などは興味深く読めた。これだけでも読む価値あり! 参考・引用文献も読んでみたい。 気になった点として、論理の型の分類として4つで必要十分なのか。渡邉康雄氏の「多元構造対立モデル」は巻末の論文タイトルを見る限り対象範囲が狭い。 また、日本の感想文型の強みを述べているが、「綴方」時代から、個人の事情や背景が複雑多様となり、自分の生活で精一杯となった現代日本では容易ではないだろう。今後の楽しみとしておきたい。2024/12/14

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