無形

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無形

  • 著者名:井戸川射子【著】
  • 価格 ¥1,881(本体¥1,710)
  • 講談社(2024/10発売)
  • 初夏を楽しむ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~6/1)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065366059

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内容説明

確かにそこにあった生活を、形には残らない喜びを、悲しみを、少しずつ取りこぼしながらも生きていく。

気鋭の芥川賞作家・井戸川射子、待望の初長編。

過ぎゆく歳月の中で、変わらないものは何と呼ばれるのだろう――。
立ち退き勧告が進む団地を舞台に、ほころびと希望、息づく日々を描き切る傑作群像劇。



年老い病を患う祖父と、彼の面倒を見る孫娘。
親が失踪した姉弟。
夫に先立たれ、近所の犬の世話をする老女。
友情以上の感情を育む少女たち。
守りたい兄と、それを疎ましがる弟。
海辺の団地に集う人々に流れる、季節と記憶――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

208
芥川賞受賞作家の著者の初長編小説という事で難解な表現が多く今回も相当に読了するのに苦労しました。立ち退き勧告の決まった団地で暮らす老若男女の人々の群像劇という設定ですが特にそれにはこだわらずに世代それぞれの人々の心情を読み込んで日常の暮らしの中で感じる事を淡々と追って読めばいいでしょう。特別に劇的な事は起きないけれど幼い兄弟、女友達の間の恋心、老いた父の世話をする孫娘の日々の暮らしの中での思いに心を委ねると強く胸を打たれるものがありましたね。悲喜こもごもの人生は続いて行くのですね。#NetGalleyJP2024/11/06

ネギっ子gen

56
【言の葉が漂う海に揺蕩い、あ、こういう感じっていいなと、】立ち退き勧告が進む団地を舞台に、確かにそこにあった生活の、形には残らない喜びや悲しみを少しずつ取り零しつつ生きる人々の、綻びと希望が息づく日々を、癖になる文体で描き切った群像劇。<雨の音を聞き取ろうとする、何かに当たって鳴るのではない、雨自体の音を。雲を突き抜けるほど陽差し、雨が強さを増す、タイラには何でも受け取る準備がある、有形無形が身に迫る、地に雨に、目は涙に洗われ明らむ。雨は降って道に落ち、地に染み込めばもう、その水は雨とは呼ばれない>と、⇒2024/12/08

ゆのん

46
初めて作者の作品を読んだ時は、独特な句読点の使い方や、時系列の分かりにくさ、今、誰が語っているのかなど迷子になってしまい読了まで時間がかかってしまっていた。詩歌を読む事はあまり無い私だが、詩を読む様に少しずつ情景を思い描きながらゆっくりと読み進める事で自分なりに楽しめた。物語は団地を追われる人々の日常が描かれているのだが、当時人物らの名前は国籍不明でどの国の話?となりながらも、最後には誰にでも起こり得る状況と心情なのではとの解釈に至った。作者の意図を汲めているかは不明だが、いい意味で癖になる作品だった。2024/12/01

もぐもぐ

46
海辺にある取り壊しが決まった古い団地に残った人たちの群像劇。登場人物たちの視点がシームレスにつながっていて頭の切り替えが大変だった。でも、慣れてくるとそれが独特のリズムとなって不思議な読み心地に。著者の作品では過去一読みやすかったけど、伝えたい事を受け取れているかちょっと自信ないです😅 最初ここはディストピアなのか?と思いつつ、読み終わってみると案外ユートピアだったのかも。 #NetGalleyJP2024/10/25

フム

26
図書館本。独特の書きぶりが今回は気になってなかなか進まなかった。立ち退きを迫られている海沿いの古い団地の人々の群像劇。次々と変わる視点に戸惑い、彼らに共通する、何かを諦めたような視点にも苛立った。今回は挫折かな、と思いながらも読み続けて、気がつくと違和感を感じていた文体に身を預けて読んでいた。末期癌を患うカンの元に集まる団地の人々のささやかな日常の喜びや悲しみがしみじみと感じられて来た。カンの死とともに、わずかに残った団地の良きものたちも消えていくのだろう。断ち切られた木の切り株が残酷に目の裏に残った。2024/12/05

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