創元推理文庫<br> のすたるじあ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,100
  • 電子書籍
  • Reader

創元推理文庫
のすたるじあ

  • 著者名:城昌幸【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 東京創元社(2024/10発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488499136

ファイル: /

内容説明

“だァれも知らないとこなの”女が語った美しい故郷の風景とは? 哀切極まる真相が胸を打つ「エルドラドオ」。中世錬金術師の甦りの秘薬をめぐる奇譚「復活の霊液」。偶々下船した島で見知らぬ女との暮しに引き込まれていく「郷愁」他、読者を「ミステリアスな宇宙へとさそいこむ」と星新一が絶賛する城昌幸傑作選『のすたるじあ』を完全収録。第2部には、酒場の主人が語る数奇な運命譚「面白い話」、ナイル河畔に出没する魔性の者の甘美な恐怖を描く「吸血鬼」など、書籍初収録を含む珠玉の短篇を収める。/【目次】1 のすたるじあ/大いなる者の戯れ/ユラリゥム/ラビリンス/まぼろし/A Fable/光彩ある絶望/燭涙/エルドラドオ/美しい復讐/復活の霊液/斬るということ/蒸発/哀れ/郷愁/解説=星新一/2 その他の短篇/今様百物語/シャンプオオル氏事件の 末/東方見聞/神ぞ知食(しろしめ)す/死人に口なし/吸血鬼/書狂/他の一人/面白い話/三行広告/間接殺人/うら表/憂愁の人/夢見る/怪談京土産/白夢/2+2=0/はかなさ/解説=夕木春央/初出一覧・編集後記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Kotaro Nagai

9
大正14年~昭和43年の作品32編を収録。うち14編は昭和51年刊行の短編集「のすたるじあ」を星新一解説を含め収録。先に読んだ対をなす短編集「みすてりい」よりこちらの作品の方が好みでした。「郷愁」「エルドラドオ」とか、戦前の「新青年」あたりに掲載された作品「三行広告」「吸血鬼」など好きですね。「うら表」はポーのウィリアム・ウィルソンが元ネタでしょう。割と長めの「復活の霊液」も面白い2025/08/07

Inzaghico (Etsuko Oshita)

8
『みすてりい』に続き、こちらも不思議な物語が連なる。戦前からこんな不思議な話を書いていたのか、とちょっと驚くが、戦前のほうが不思議な話が受け入れられやすかったのかもしれない、とも思う。死んだ者が姿を現す話も多いが、その現れ方に日本っぽいウェットな思いが乗っている。 人間の強欲さや愚かさを笑うものもあれば、こんな高潔な人間がいたのかという話もあり、人間はひとくくりにできないものだな、としみじみ。認知の歪みで起こらなくてもいい事件が起こってしまう話は切ない。2024/11/13

ふるい

4
読んでいて「郷愁」の主人公のように思わず「帰りたい!」と叫びたくなるような、集合的無意識にあるノスタルジーが喚起される掌編集。特に「エルドラドオ」の絵葉書のくだりがジンとくる。「書狂」はもしかしたら自分も将来こうなるかも?な発狂の仕方が怖い。読書家の皆さん気をつけて。「神ぞ知食す」は、冬の雨の日の珈琲店に居る描写がお洒落で印象に残った。2025/09/27

妖湖

1
図書館リクエスト本。初読みの作家。1925~1964年の作品なので、文章・文体はさすがにちょっと古い感じがしますが、味わい深い作品集でした。「のすたるじあ」と言う題名がぴったりです。2025/09/27

むすび

0
『吸血鬼文学名作選』から気になりだしたところにちょうど出てくれた。色とりどりの小品をたくさん収めた短編集。騙し絵のようだったり、モーリス・ルヴェルを連想させるような苦味だったり、既存のジャンルに新しい光を投げるような趣があったり、1作ごとに異なる味わいがある。ある人物の語りを別の人物が遠回しに枠物語化するような展開が印象的。前のめりになっていたところにいきなり地面が消えたような頼りなさと微妙な恐怖を覚える。 「光彩ある絶望」「エルドラドオ」「郷愁」「死人に口なし」「夢見る」「はかなさ」が好き。2025/03/29

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22155140
  • ご注意事項

最近チェックした商品