ふたりの窓の外

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ふたりの窓の外

  • 著者名:深沢仁【著】
  • 価格 ¥1,699(本体¥1,545)
  • 東京創元社(2024/11発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488029166

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内容説明

自分を裏切った恋人ともうすぐ旅行に出かけるはずだった女、その恋人の代わりに旅に同行することを申し出た男。なぜか承諾してしまった女は、それまで見ず知らずだった男と春の宿で一夜を過ごすことになる――。春の宿、夏の墓参、秋のドライブ、そして冬の宿。火葬場での出会い以来、それぞれの季節に一度ずつしか会うことのなかったふたりの一年を四章仕立てで描いた、絵画のような恋愛小説。『眠れない夜にみる夢は』の著者の新境地的傑作。/【目次】1 花を摘まない/2 流れる浮雲/3 雨は道連れ/4 最初に触れる雪

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

108
恋人の裏切りを知った沙奈。そしてその男の葬儀の火葬場の喫煙所で出会った役者の鳴宮。死んだ恋人と出かけるはずだった旅に行くことになった二人。さらに真夏に鳴宮の祖母を連れての墓参、秋にはドライブ、そして冬の宿と季節に1度しか会うことのない二人。会話はぎこちなく旅館の同じ部屋にいても何も起こるわけではないが、そんな二人が次第に近づく。四季の様相が優しく彼らをつつみこみ、静けさの中に時が流れる。とてもきれいな文章。心地よい読書、素敵な時間…2025/08/06

のぶ

80
火葬場で出会った男と女の一年間の物語です。こんな上質な恋愛小説には久々に出会った、と思わせてくれた作品だった。主人公のふたりが、それぞれの季節に旅をして、お互いを知っていくが、この緩やかな過程がとても心地良く、読み終えるのが惜しく感じました。旅先での情景描写とふたりの心理描写が絶妙で、非日常な空間とふたりの関係性がとても美しかったです。ラストは切なくも温かい気持ちになり感動を隠せなかった。現実でこんな体験はとてもできないだろうけれど、これも読書の楽しさだと思った。2025/01/23

星群

77
出会いが火葬場だった2人、どんな未来が待ってるかと想いながら読み進めたら、終始私好みの恋愛模様でした。季節が進むことに、手探りながらも縮む2人の距離感。彼のお祖母さんを交えた夏のお墓参りの場面が、中でもお気に入りです。自然にお祖母さんへの親愛の情が滲み出ている彼の姿勢がとても素敵で、私にもこんな素敵な王子様(えっ!?)が現れないかなぁと切実に思ってしまいました。2025/02/24

konoha

57
「眠れない夜にみる夢は」が良かった深沢さん。さらに純度が高く素敵な恋愛小説を生み出してくれた。父親、恋人をそれぞれ亡くした男女が火葬場で出会い、春夏秋冬一回だけの旅を通じて静かにゆっくりとお互いを知っていく。深沢さんの小説が好きなのは、恋愛より前に人と人が向き合うことを丁寧に書いているから。鳴宮さんはチャラいし、藤間さんは危なっかしくて面倒。でも、2人だけが知る魅力やダメさが愛おしかった。最終章はドキドキした。四季折々の旅先の光景が美しい。喪失の痛みを抱える大人の再生の物語としても味わい深い。2025/02/04

papapapapal

51
おっと。思いがけずメロメロ恋愛系、ニヤけちゃった。火葬場の喫煙所で出会った藤間紗奈と鳴宮庄吾、ふたりの目線で交互に描かれる物語。出会いから"素"だった彼らの距離感は絶妙。プラトニックというより、人としての安心感を覚える関係性が心地良い。出会いの春に始まり、真夏の墓参りと老婆と犬、秋雨のドライブとファストフード…どの描写も美しく、絵として脳裏に浮かび上がる。特に雪のエピソードが印象的!今年雪が積もったら私はあのシーンを思い出すだろう。ラストは若干唐突な気もするけど、これがふたりの着地点ならそれも良いのかも。2025/06/10

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