創元SF文庫<br> ロボットとわたしの不思議な旅

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創元SF文庫
ロボットとわたしの不思議な旅

  • ISBN:9784488776039

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内容説明

自意識を獲得したロボットと人類が平和裏にたもとを分かち、別々の地域で暮らすようになってから、長い年月がすぎた。あちこちの村を巡っては、悩みを抱えた人々のためにお茶を淹れる喫茶僧のデックスは、ある日思い立って文明社会を離れ、人類の手が入らない大自然の中へ向かう。そこで出会ったのは、一台の古びたロボットだった。人間たちの社会のありように好奇心をもつその奇妙なロボット・モスキャップと共に、デックスは長く不思議な旅に出る。心に染み入る優しさに満ちた、ヒューゴー賞、ローカス賞、ユートピア賞受賞の二部作を一冊に収録。/【目次】緑のロボットへの賛歌/はにかみ屋の樹冠への祈り/解説=勝山海百合

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シナモン

99
文明社会を離れて大自然に向かったデックスが出会ったのは自意識を持つ野生のロボット、モスキャップ。彼が語る生きることについてのあれこれはもはや哲学。ほっこり穏やかな旅のなかに人生の普遍的な問いの答えを探すー不思議な読み心地の一冊。面白かったです。💘使命なんてもっていない。 使命をもつ生物なんていないんです。 2025/01/19

新田新一

39
主人公の修道僧デックスは、喫茶僧として働いています。この仕事は休息が必要な人にお茶を入れてあげるものです。ある時思い切って文明社会を離れた時に、古びたロボットと出会いました。旅をするうちに、デックスとロボットの間に友情が生まれてきて……。遠い未来のことを描いているのに、おとぎ話のようなの雰囲気があります。ロボット自身が自分が生態系の中に組み込まれていることを自覚しているのがユニーク。宇宙的なスケールで見れば、人間もロボットもそれほど変わらない存在なのかもしれません。これまでにない感性を感じる傑作SF。2025/01/15

宇宙猫

21
★★★★ 人間とロボットが分かれて暮らし、人間にとってロボットは半ば伝説の存在になった時代。人生に疲れた喫茶僧(集落をまわってお茶を提供しながら話を聞く)と、人間の事を知りたいロボットが出会い、お互いの悩みや存在意義などを語り合いながら旅をする。哲学的な会話も多く読むのに時間が掛かったが、デックスもモスキャップも穏やかで相手を理解しようとしているので気分よく読める。後読感も優しい気持ちになって良かった。2025/04/22

信兵衛

16
何だかよくわからない処もある二人の旅、お互いに通じ合おうとして行違うことも多々あって、なんだか楽しい、という一言に尽きます。2025/01/29

ふりや

11
同じ著者の『銀河核へ』が本当に大好きなのですが、こちらの作品も素晴らしかったです。新しい生活に奮闘する僧侶と文明から距離を置くロボット。二人の偶然の出会いと旅の始まり、少しずつ縮まっていく距離、軽妙で楽しく、含蓄のある哲学的な会話など、忙しい日々を少しだけ忘れさせてくれる、心が温まる優しい作品です。もともと「人間とロボットの交流モノ」に弱いのもあるのですが、読んで良かったと思える小説でした。二人の旅の結末、しっかりと見届けました!2025/05/20

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