現代日本の〈国家意識〉とアジア - 二つの東京オリンピックから考える

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現代日本の〈国家意識〉とアジア - 二つの東京オリンピックから考える

  • 著者名:遠藤薫
  • 価格 ¥5,500(本体¥5,000)
  • 勁草書房(2024/11発売)
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  • ISBN:9784326603749

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内容説明

近代オリンピックは、国家の力を世界に発信し国内の結束を固めるナショナル・イベントとして作動してきた。敗戦と占領を経て、経済大国になりつつあった〈日本〉の高度成長の中間点に開催された1964年。東日本大震災からの「復興」、新型コロナウイルス感染症からの回復が顕示された2021年。二つの東京オリンピックを考える。

目次

序章[遠藤 薫]

第I部 オリンピックと国家アイデンティティ

第1章 踊る東京オリンピック──〈東京五輪音頭〉を読み解く[遠藤 薫]
 1 はじめに──1940年東京オリンピックから1964年東京オリンピックへ
 2 東京オリンピックの音楽戦略
 3 『東京五輪音頭』という映画
 4 もう一つの〈東京五輪音頭〉映画──『日本一のホラ吹き男』
 5 「東京五輪音頭」から「世界の国からこんにちは」へ
 6 おわりに──終わりの始まり

第2章 戦後日本におけるナショナリズムとスポーツ──円谷幸吉の死を中心に[木本玲一]
 1 はじめに
 2 スポーツと戦争
 3 オリンピックと自衛隊
 4 円谷の遺書と作家たち
 5 1964年のナショナリズム
 6 おわりに

第3章 1964年東京オリンピックはなかった──映画『男はつらいよ』シリーズにおける戦争・オリンピックの不在[遠藤 薫]
 1 はじめに──東京オリンピックとTVメディアの興隆
 2 戦後の国民的映画としての『男はつらいよ』シリーズ
 3 『男はつらいよ』における「戦後」の消去──「葛飾柴又」という舞台
 4 「オリンピック」の消去──逝きし者の面影としての「寅次郎」
 5 『男はつらいよ』シリーズにおける三つの時間
 6 「戦後映画」としての『男はつらいよ』
 7 1969年という年──グローバルな時代の中で
 8 『男はつらいよ』の時代
 9 『男がつらい』の現在──東日本大震災から2021年東京オリ・パラ

第II部 オリンピックが浄化する東京

第4章 汚臭・民度・芸術──二つの東京オリンピックと公衆トイレ[中田喜万]
 1 はじめに──「THE TOKYO TOILET」プロジェクトからさかのぼって
 2 「外人客」を応接するために──戦後昭和のオリンピック経験
 3 経済成長の果実として──「上品な社会」化した平成・令和
 4 おわりに──「インバウンド」の狂騒の中で

第5章 街から消えたのは──東京オリンピックと首都美化運動[遠藤 薫]
 1 はじめに
 2 彼らは誰だったのか
 3 子どもたちにとっての記憶
 4 東京オリンピックと街の美化運動
 5 廃棄と消費
 6 2020-2021年東京オリンピック・パラリンピック
 7 おわりに──多摩川河川敷の空き缶

第III部 オリンピックとポピュラー・カルチャーの変容

第6章 オリンピックと恋愛技術の変遷──ナンパからマッチングアプリへ[塚越健司]
 1 はじめに
 2 解放としての「ナンパ」──1970年代までのナンパシーン
 3 1980年代~2000年代のナンパ
 4 新自由主義とナンパ
 5 2010年代以降の恋愛技術
 6 おわりに

第7章 ジャニーズと二つの東京オリンピック──1990年代半ばにおける国家意識の形成とバレーボール[周東美材]
 1 はじめに
 2 1964年の東京オリンピックとジャニーズ
 3 ジャニーズとバレーボール
 4 夢としてのアメリカ/暴力としてのアメリカ
 5 おわりに

第8章 二つのオリンピックと紅白歌合戦──個人化/デジタル化による変容[遠藤 薫]
 1 はじめに
 2 二つのオリンピックと紅白歌合戦
 3 音楽産業の変容──プラットフォーム・ビジネスとサブスク
 4 「新しい音楽」と価値共創──YOASOBIから考える
ほか

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