内容説明
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“今から思ふと、食べもののことや酒を飲む話を書き始めたのは、かういふものを書いてゐれば誰からも尊敬されたりする心配はないし(中略)誰にも気兼ねしないで本音が吐けると考えてのことだつたやうである” ニューヨークで毎日のように通った酒場、麦の匂いがする英国のトースト、広島の牡蠣、横浜の点心、近畿の松茸……。文士・吉田健一が旨いものへのこだわりと本音を包み隠さず語った幸福な食エッセイ集が、新装版になって帰ってきた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUBASA
11
食や酒にこだわりのあった吉田健一の食エッセイ集。余分な情報が数多転がる昨今からすると、氏の生きた時代はより感覚的に旨いものはうまいと断言しやすい時代だったのかもしれない。本書は「美味求心」「酒と人生」「旅の食物誌」「女房コック論」の4つに分かれていて、酒談義も楽しかったが旅に関する部分が特に良かった。海外の食文化の違いや今も残る日本津々浦々の名物について語っているのが食欲をそそる。新潟とか山形とか米どころを訪ねるのに飲んでばかりいてご飯を食べたことが無いというのは飲兵衛さもありなんと苦笑してしまった。2024/12/13
uchiyama
2
長崎の唐墨の「その優しい味といふのをもう少し説明すると乾し柿のやうでもあれば、よく焼き上げたパンの耳にも似た所があり、そしてどこか胡桃を思はせるものがある」。こんなに、ある食べ物の旨さをいかにもぴったりと、食べたことがない人も食べたくなるように表現した文をあまりたくさんは知らない。食べ物と酒について語って、これほど卑しさの欠片もない本も他にない。読んでいると、まさに「日の光をおなかにいれる」ようなワイン、または「水に近い」酒を飲んでいるときと同じに、「意識が澄んだ酩酊」へと誘われます。2025/01/20
辻本 敏久
0
焼肉のはや2025/01/08
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