徳間文庫<br> 死ぬよりほかに

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徳間文庫
死ぬよりほかに

  • 著者名:福澤徹三【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 徳間書店(2024/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198932138

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内容説明

自殺者が一日に百人を超えるという現代の日本。人はなぜ、自らの命を断とうとするのか。
ひきこもりの息子とその父親、認知症の妻の介護に疲れた夫、日常の虚しさに陥った主婦、
痴漢容疑を受けたサラリーマン、際限なきいじめに悩む中学生…。
図らずも人生の陥穽に落ちた人々が、「死」の深淵に臨んで下した決断は…!?
現代社会のひずみを映し出した傑作短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H!deking

43
死ぬよりほかに選択肢が無くなった、精神的に追い詰められた人たちの短編集。それぞれの話の主人公が、いろんな事情があって自死を決意するんだけど、最後はほんの少しだけ前向きになれるお話。福澤さん、侠飯しか読んでなくて、こういうのは初めてだったけど、底辺の人間書かせたら上手いね~。心情の描写がリアルで、自分まで死にたくなりそうになるw全部面白かったけど、最後の鳩の話とかよかったわ~。今度長編読んでみよ! 832017/06/30

さっとる◎

38
生きる積極的な理由はないけど自ら死ぬ積極的な理由もない。動いているものは動こうとし続け、止まっているものは止まろうとし続け、生きているものは生きようとし続ける。友人の前で自分の手首を赤く染めたあの子にも、憤慨した友人にも、それを聞いた私にも、生きる意味は同じくらいに小さくて死んでいい理由は大きかった。それでもちゃんと生きてる。そんな人はたくさんいる、むしろそういう人しかいないんじゃ。この本を読むとそんな気すらしてくる。死ぬよりほかに、なぁどうしろってんだ。それでも生きてるしぶとさに暗澹時々笑い時々眩しさ。2021/05/30

petitlyz

20
タイトルどおり「死ぬよりほかに」と思っている登場人物の短編7編。大体暗い。でも結果はちょっと違う方向に進む感じ。最後の、「ベランダの鳩」が印象的だった。以前、6階に住んでる時にしょっちゅうベランダに鳩が来ていたので気持ちがわかるような気がした。今は違う建物だけど、ベランダの柵にハクビシンが歩いているのを見てやはり凹んだ(1度だけで済んでいるが)。この最後のストーリーのラストは悪い感じではなかった。2025/05/25

BUBI

19
福澤徹三っていう作家さん自体、もしかすると初めてですがとても読みやすくて、全ての短編が全部面白い傑作短編集。特に最初の「夕立ち」がよかった。どうしようもない場末のスナックの、飲み過ぎで身体がボロボロのマスターが最期(?)にした善行…これだけであなた、天国行けるよ。どの話も、皆、もうタイトルどおり「死ぬよりほかに」どうしようもないような話ですが、何故か最後は少し救われて終わります。こういうのいいよね。願望かしら。2024/09/14

でこ

11
「もう死ぬしかない」と、それぞれの覚悟を持っている7人の、切実だったり馬鹿げていたりする短編集。基本的に皆倦んでいるので、気分のいい話たちではないけれど、読後感はけして悪くない。『傍聞き』に近い雰囲気。2013/04/06

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