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内容説明
令和バブルともいうべき株や都市部不動産の高騰、急速に進行する地方経済の衰退。近代英国の労働者のような低賃金に貧富の差が拡大している。老後への不安に付け込み、税優遇などの誘惑によって引きずり込まれた危険なマネーゲームの乱高下はチキンゲームの様相を呈してきた。バブルは壊れて消えるのが必定。マルクスは、資本主義には貧困が必要なことを喝破したが、日本はいま未曾有の労働力不足、人口減少社会に直面している。――日本の末期的状況を、マルクスやエンゲルスの枠組みで読み解く。
目次
まえがき──バブル経済と深刻化する貧困、そして人口減/第I部 貧困がもたらす全国民的危機/第一章 迫りくる人口減の認識は決定的に不十分/「人口ビジョン2100」の超楽観主義/甘すぎる空論は「大衆のアヘン」/世紀末予測8000万人はどれほど甘いか/日本人口は100年後3900万人に/人口予測が甘くなる理由/ほぼすべての先進資本主義国で起きている人口減/貧乏人は子を生むなという「異次元の少子化対策」/自民党による「高所得者へのバラマキ」/大学と地方は大幅に消える運命か? /声が小さい地方自治体、大学業界/第二章 貧困化と株価・地価バブルの同時存在/焼け石に水の賃上げ/賃金よりも配当へ/過去には株価と賃金は連動していた/アベノミクスの異次元金融緩和/資産家優遇に踊って夢をみる庶民/不動産業偏重のいびつな産業構造/アベノミクスで失われた利子所得/異常な低金利がもたらした異常な円安/円安は日本を途上国にする/第三章 迫りくる財政破綻という全国民的危機/借金による借金返済が構造化した日本財政/借金による借金返済は持続不可能/MMTも「シムズ理論」も結局は実質賃下げ論/マルクスの貨幣・国債論/国債の大量発行で利益を得る者たち/異常な円安誘導もこの戦略の一部/第四章 地方経済の崩壊を期待する原発企業と軍事基地/能登半島地震で志賀原発が動いていたら/原発問題は世代間対立の問題/能登半島は人口減少地区の典型例/企業城下町の環境汚染隠し/反対するには「元気」が必要/都市の利益は、農村の貧困から/第II部 貧困の原因を解明した『資本論』/第五章 中間層の貧困化で始まった資本主義/「雇われる以外に生きていけない」状況/強制的な貧困化/下方に分解する中間層/資本主義「外部依存」の論点/ローザ・ルクセンブルクの「外部依存」論/都市・農村間の対立は階級問題/第六章 資本主義の継続に必要だった貧困/年金にまつわる本音と詭弁/貧しい労働者は貧しいままに、の失敗/賃金の上限と下限/利潤(剰余価値)は労働の場で形成される/マルクス経済学の関東派と関西派/数理的に証明できる資本主義的搾取/第七章 奴隷・農奴と同じ現在の労働者/商品としての「労働」をどう見るか/「働かせる」か「食べてしまう」か/見えにくくなった搾取/機械によって完成する労働力支配/市場経済も機械化によって完成した/第III部 バブルと貧困の解消を主張する経済学/第八章 古くて新しい階級論/焦点は「中間層の不満」/超富裕層との所得格差をうめる/平等に反発するネット民/学歴と職業と階級の固定化/身分制の合理性は、職業倫理/現代の「身分制」は生産力的に合理化できるか/第九章 バブルの原因を問う数理マルクス経済学/資産価格高騰の根本原因は低金利/マルクスの利潤率低下法則/「数理マルクス」が解明した正常な金利水準/異常な投資熱/「価格上昇が投資を生む」という矛盾/金があるのに投資先がない/氷河期世代が未婚である本当の理由/マルクス経済学の利子論について/第十章 賞味期限切れの資本主義/致命的な危機意識の欠如/若きエンゲルスが悩んだ問題/支配階級みなが反対するわけではない/「わが亡きあとに洪水は来たれ!」は現代も通用するか/コロナ禍で問題となったこと/人口問題は別/あとがき──日本における労働者階級の状態/参考文献
感想・レビュー
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まゆまゆ
小鳥遊 和
ゆーみん
Yoritoku Nakagawa
takao
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