内容説明
勤務先で係長に抜擢された後藤は、ボディビルの選手でもあった。ある日、社内の人材の無駄に切り込み組織の代謝を上げると大会に向けて停滞中だった減量も進むことに気づき、身体を仕上げるべくチームの脂肪の除去に驀進し始める。肉体と組織がシンクロしたとき、たたき出されるのはベストパフォーマンスか、それとも――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
265
石田 夏穂、3作目です。王様のブランチBOOKコーナーにて紹介されたので読みました。 もっとお仕事小説よりかと思いきや、かなりボディビルよりでした💪💪💪 https://www.shinchosha.co.jp/book/355881/2025/04/19
R
147
ボディービルの大会に備えながら働く男の人生の一幕を描いていた。ショートショートのような不可思議に彩られているのだが、語り口が軽いのと、コメディというかギャグの雰囲気をまとっているので、不気味とも違う不思議をまぁいいかという感じで読まされて、なんか終わったけど面白かったという感想に持っていかれた印象。比喩というにはあまりにもぞんざいな、チームビルドと肉体をビルドすることの共通点、というかこじつけのような妄想というのが随所にあるのだが、それが変だし、かっちり嚙み合っていないのに許せてしまうのがよい。2026/02/17
hiace9000
143
石田作品4作目。様々な職種の仕事に対し“当てがう”石田尺度はいつもながらユニークでシニカル、そしてデンジャラス! ボディビルダーである大手リース会社員(係長)の後藤が肉体改造に賭けるストイックさは、もはや常軌を逸し気味ー。その振り切れた針先にある内に秘めたる言葉の数々は完全にコンプラ違反。だが彼の中の自称「正義」の目線に立つと不思議な説得力と共感力を放ち始める。あらゆるものにボディビル尺度を適用し、肉体を会社組織に見立てる暴走ぶりと中間管理職の鬩ぎ合いを「文学」にするとは! その石田マッスルにも拍手を!2024/12/29
NADIA
112
『わが友スミス』では女性のボディビルダーが語り手を務めたが、こちらは男性視点で語られるボディビルダーの日常。ボディビルダーとしての苦労が垣間見られる部分はとても興味深いが、太っているという理由で気に入らない部下を「脂肪」扱いして部署から追い出したり、職場でもボディビルの大会の準備を優先させたりと常に上から目線のナルシストぶりがムカつくね。職場での不要な「脂肪」を排除することで、連動するように自分の身体の減量も進む。次々と部下を切り捨てる先に迎える何とも皮肉な結末がなぜか清々しく感じる石田マジック(笑) 2025/04/02
フランソワーズ
111
『我が手の太陽』でちょっとがっかりしてしまった、石田夏穂さん。これですよ、こういうのこそ彼女の”文体”。再びボディビル小説だけど、今度はそこに職場を持ってきた。しかもマネジメント。働き方、働かせ方を、身体を鍛えることとみごとにリンクさせた小説。エンタメだけど、純文学でもあるのがすごい。次も期待してます(でも今度は違うニッチな世界を描いてほしい)。2025/04/09
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