マリアージュ・ブラン

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マリアージュ・ブラン

  • 著者名:砂村かいり
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • PHP研究所(2024/10発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 480pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569857848

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内容説明

恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界で一番気の合う、大切な友人と結婚している――男女の新しい在り方を鮮やかに描いた長編小説! 夫婦としてつつましく暮らしている31歳の奈穂と尊。元同級生で、記念日も忘れずに祝い合う仲の良いふたりだが、性交渉はもとより、恋愛感情も存在しない。友人関係だったふたりは、経済面や体裁面でのメリットから婚姻関係を結ぶことを決めたのだった。恋愛感情に振り回されない、淡々とした暮らしに満足していた奈穂と尊だが、少しずつ二人の関係に綻びが生じて――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hiace9000

146
友人同士で結婚した菜穂と尊。穏やかな二人の関係性に生じた小さな綻び。それを『マリアージュ・ブラン』という言葉に託し、繊細にして複雑に振れる感情と共に静かに見つめ描く。心の内側に張り付き見過ごしてしまいそうな感情をぺりぺりと剝がすように、人の気持ちの微細な機微を丁寧に摘まみ上げて見せるのが砂村作品の旨味の一つ。"普通"であることへの羨望、仕事や友人関係を含めた暮らしの中で浮かび上がる否定しつつも否定しきれない恋愛感情や嫉妬、自身の性的志向への戸惑い、恋愛感情を持たないはずの友情結婚の行く末にあるものは―2025/07/21

Kei

94
肉体関係のないまま、またそれがお互いに心地よく。同意の上、婚姻の形をとっている同級生の2人。マリアージュブラン。仏語で、白い結婚、あちらでは居住権の偽装婚に使われる。ただ、この2人、偽装てはない。身体で結ばれるのではなく、気持ちで、一番共有したい部分で、お互いにわかりあえるであろう関係。うーむ、一番難しいよね。その2人にからむ友人、職場の様々がリアルで、なかなかに読ませます。婚姻、また、その形をとらなくとも、様々な関係があってもよいと許容できる社会でありたいです。枕草子のめでたき人が印象的な描写の2人です2024/11/16

おしゃべりメガネ

84
う~ん、なかなか色々と考えさせられる作品でした。テーマはズバリ、アロマンティック・アセクシャルのお話です。何がどうだと普通なのか、そもそも普通とは何なのか。恋愛感情や性欲に関する見方や考え方が淡々と綴られています。マイノリティや多様性云々と耳にする昨今において、昔ほどではないにしろ、やはり今現在においてもなかなか理解や認知が追い付いてないかもしれませんね。主人公の二人「尊」と「奈穂」は結婚はしていても、性的な関わりは一切なく、暮らしています。きっとそういうコトにまだ自分の理解や認知が追い付いてないかなと。2024/12/13

美紀ちゃん

80
滞在許可証やフランス国籍を得るために現地人と結婚する。利益の一致により愛のない結婚に至る。空白の結婚、ペーパー婚→マリアージュ・ブラン。尊がいい人で良かった。尊の「めやすき人」が菜穂で良かった。ケンカが長引き、星夜の気持ちを疑っているあたりから、どうなるのか?ハラハラしたけど、温かいラストで本当に良かった。アロマンティック、アセクシャル。自分は何なのか?どちらとも判断できない、名前のない性的なグラデーションがあって、それぞれ不安な気持ちを抱えている人がたくさんいることを改めて感じる内容だった。2024/11/14

花ママ

77
高校時代の同級生だった奈穂と尊。異性に恋愛感情がなく、性的な関わりを持つことに抵抗があった。しかし経済面や家族などの体裁面でのメリットから、一番気の合う、大切な友人として結婚する。ささやかだけど安定したメンタルで過す日々だったが、周りの人々との関わりの中で、お互いの関係に微妙なヒビが入ってきたりする。でも最終的に求めていたのは奈穂であり尊であった。現実に性的関わりを持たず結婚生活を続けている人は少なからずいるのだろう。少なくともこの2人に関しては、温かく見守ってあげたい気持ちになった。2024/11/06

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