内容説明
呉服についての便利屋であり、染色の仲介業者でもある「悉皆屋」の康吉は、職人としての良心に徹することで、自らを芸術家と恃むようになる。大衆の消費生活が拡大する大正モダニズム期には、華美で軽佻な嗜好を嫌い、ニ・ニ六事件の近づく昭和前期には、時代の黒い影を誰よりも逸早く捉える男でもあった。著者が戦時下に書き継ぎ、芸術的良心を守った昭和文学史上の金字塔と評される名作。
目次
巻の壱
巻の弐
巻の参
巻の四
巻の五
巻の六
巻の七
巻の八
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
3
悉皆屋は死語…から始まってびっくり!平成の今でも居るんじゃ(゜ロ゜;ノ)ノ 色の和名をネットで調べながら、若納戸が江戸城の襖の色だと知る。バカ殿で観てるあの襖ね! そして、読めない漢字の多さに衝撃Σ(゚◇゚;) 昭和初期の社会にもまったく知識がなく、調べること多すぎ…2016/01/20
スターリーナイト
1
2020-1032020/12/31
パルフェ
1
真面目にコツコツと努力する主人公を描く。 関東大震災後、一心に主人親娘の面倒を見ながら悉皆屋の商売に奔走する姿は馬鹿正直だと歯痒くも思えるが、やっと自分の店を持てた後、社会情勢を一心に読み解こうとする勤勉さに、身をつまされる思いがした。 物語の合間に描かれる悉皆屋の世界や、白生地の地模様や小紋、錦の色彩が鮮やかで着物好きにも嬉しい作品。 主人と奉公人、夫婦、それぞれの支え合いが描かれていないことが、読了後、爽やかさに欠ける所以。2019/05/20
ぎんしょう
1
戦中書き続けられた小説。読んでいて気持ちよかったが、もしかすると女性には解されない話なのだろうか。芸術的良心という語を以て評されることが多いらしい小説であるが、決して芸術家にのみ限定される話ではないだろう。2011/11/16
青猫
0
きもの好きにとっては得るものの多い本だが、思想は古い。2009/10/30
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