角川文庫<br> ライフ・レッスン

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角川文庫
ライフ・レッスン

  • ISBN:9784042920021

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内容説明

「一生」とよばれるこの時間のあいだには、学ぶべきさまざまなレッスンがある。とりわけ死に直面した人たちとともにいるとき、そのことを痛感する。死にゆく人びとは人生のおわりに多くを学ぶが、ほとんどのばあい、学んだ教訓を生かすための時間が残されていない。一九九五年にアリゾナの砂漠に移住したわたしは、ある年の「母の日」に脳卒中でたおれ、麻痺状態におちいった。それから数年間は、死の淵に立たされたままだった。すぐにも死がやってくるだろうと、幾度となく覚悟した。そして幾度となく、それが訪れてこないことに失望した。準備はできていたからである。でも、死ななかった。なぜなら、わたしにはまだ学ぶべきレッスンが、最後のレッスンがあったからだった。そのレッスンの数々は人間の生にかんする究極の真実であり、いのちそのものの秘密である。わたしはもう一冊、本を書きたいとおもうようになった。こんどは「死とその過程」についてではなく、「生とその過程」、つまり人生と生きかたについての本を。(著者エリザベスのメッセージより)

【目次】
第一章「ほんものの自己」のレッスン
第二章愛のレッスン
第三章人間関係のレッスン
第四章喪失のレッスン
第五章力のレッスン
第六章罪悪感のレッスン
第七章時間のレッスン
第八章恐れのレッスン
第九章怒りのレッスン
第十章遊びのレッスン
第十一章忍耐のレッスン
第十二章明け渡しのレッスン
第十三章許しのレッスン
第十四章幸福のレッスン
最終レッスン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Bashlier

40
4/5 終末医療博士による人生のレッスン。お仕事柄多くの方の「最期」を看取ってきた彼女。体を動かすこともままならぬ最後の時に本作を記しました。テーマはやりようのない感情たち。凍てついてしまった心をどのように扱えばいいのか、優しい言葉で導きます。印象に残るのは、「最期の時を迎えて、”もっと働いておけばよかった!”と悔やむ人は一人もいなかったのです。”自分のやりたい事に時間を割けばよかった!”と、その時になって気づくのです。」という箇所。働き過ぎたあなたを癒す「心のチキンスープ」としてぜひご賞味を。2023/08/18

moonlight

40
終末期医療の先駆者による著作。人は死を目前にしてやっと自分の本質に気づくことができる。それなら生命のあるうちに自分が自分自身として生きるレッスンをしようじゃないか、というメッセージ。社会的な役割を脱ぎ、たくさんの種類の愛に気付くこと、コントロールできないことをコントロールしようとしないこと、他人はもちろん過去の自分や未来の理想の自分とも比較しないことで幸せに…なりたい…。人生って修行かな。2022/02/14

ジョニジョニ

27
怒ってもいいことないから、絶対怒らないようにしよう…としてたんだけど、最近ひとに嘘つかれてたのがわかって、ムチャクチャ腹が立った。あーまた怒っちゃった、と罪悪感を感じた今、「怒りにたいしては文字どおり腹部でつきあわなければならない。そのこつを身につけるには、目をとじて、片手を胃のあたりに当てるといい」を読んで、なるほど!と腑に落ちた。外傷に対する痛みと同じように、怒りもまた身体の反応で、ただ、痛みと違うのはその原因に恐れがあること。まだ起きてもいない窮状を恐れる必要はない。今でも先が怖いんですけどね。2020/07/19

スパイク

23
死を宣告されたとき、ほんとんどの人はやり残したことに気づく。せめて宣告された死までの数カ月・数時間は、自分の為だけに使いたいと思う。でもその時にはすでに、身体も不自由で自立して生活することもままならないかもしれない。しかし、それは、死を目のまえにしなくても、今すぐにでも取組んでいけることでもある。他人の欲望、他人の人生を生きても、本物の幸せはないし、生きている価値はない。…という内容が繰り返される。『一晩で一億円稼ぐ方法』とか『ハーバード流思考法』なんて本に興味がある人には理解不可能でしょう。2014/09/03

石橋陽子

22
キューブラロスは死の受容過程を呈した人。この本は、人生が限りあるものであり、いい人生だったと思えるものの考え方がぎっしり詰まった素晴らしい本。無条件の愛を与える際の最大の障害が、与えた愛が報いられないのではないかという恐れであることや、その人を丸ごと愛することが出来れば事態を変えることが出来る等、今の私に刺さる概念と沢山出会えた。死を間近にした人のどの話も涙無しではいられない。今、命があり生きられていることが感謝であり、この上なく幸せなことと思う。2025/03/18

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