河出文庫<br> トム・ゴードンに恋した少女

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河出文庫
トム・ゴードンに恋した少女

  • ISBN:9784309468068

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内容説明

ハイキング中に家族とはぐれた9歳の少女。「何か」が潜む森の中、一人で歩き続けるも、やがて食糧は尽き――。過酷な状況で懸命に生き抜こうとする姿を描いた壮絶なサバイバル小説が、全面改稿で甦る!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

73
9歳の少女にキングが課した試練を辿る。家族思いの著者なのでラストもそれなりに想像できてしまうが。虫に刺され、斜面を落下し棘のある藪を通り抜け流血はまだ序の口。母と兄の口論に嫌気がさし、はぐれてしまうのでもとからサバイバルの装備はない。川の水を飲み嘔吐下痢、方向感覚を失い捜索範囲から遠く彷徨う。やっと見つけた食べられる木の実と葉っぱを貪る。鬱とハイを繰り返しとうとう幻覚や幻聴が。最大の恐怖は常に何か怖いモノの視線を感じること。救いはSONYのあれから聞こえる野球中継と推しの選手をそばに感じること。どうなる。2024/11/06

ぽてち

30
2002年に新潮文庫から刊行された同書を全面改稿した作品だそうだ。そちらは未読のため、違いはわからない。離婚した母と、文句ばかり言い続ける兄と共に、週末の小旅行でハイキングに出かけた9歳のトリシア。歩きながらも言い争う2人から、ある理由で離れたトリシアは道を見失い迷子になってしまう。そこから始まる少女のサバイバル譚だ。キングお得意の超自然要素は封印されてはいないが、あからさまな形では登場しない。少女の空想と幻覚の範囲である。トム・ゴードンは実在の大リーガーだ。2025/01/13

まさ

20
森の中で迷子になってから始まった少女のサバイバル。蚊や蜂に加えて"そいつ"にもつきまとわれる感覚は絶望的なものだ。野球のリリーフピッチャーを重ねながら、重圧を乗り越えようとする健気な姿にもちろん応援してしまう。読みながら、森の中の匂いというか気配をあまり感じられなかったのはアメリカと日本の風土の違い?それとも作者の意図?ちょっと違うなぁと思いながらの読了でした。2025/03/15

Porco

15
ハイキング中に迷子になってしまった9歳の少女のサバイバルホラー。短編の1作になりそうな設定だが長編作。この手の作品には珍しく、捜索する側の話はあまり書かず遭難者側の視点が大半だ。超現実的な恐怖は終盤くらいで、藪蚊や蜂や飢えなど、野山で遭難した際にこういうことに困るだろうと誰もが想像する現実的なものが襲いかかってくる話だ。しかしその二つが合わさることで、トリシアに感情移入した状態で連続する生々しい恐怖に対し、嫌だなぁと眉間にシワが寄るくらい恐れを抱かせられる。流石キング。2024/12/28

凛風(積ん読消化中)

14
9歳の少女が、母、兄と共に、ハイキングに行き、森で迷子になってしまう。母と兄は延々口論を続けていて、妹がいなくなったことにも気づかない。そんな中、少女は蚊に刺され、蜂に刺され、川に落ち、『熊』?のようなあいつに、つけまわされ散々な目に遭いながら、リリーフピッチャーの、トム・ゴードンだけを心の支えにして1週間、森を彷徨い続ける。キングも9歳の女の子に容赦ないよね。と言うか、迷うだけで300ページ書いてしまうのがキングだよね。ずっと続く緊迫感も凄いし、残りページが少ないのに試練は続くし、ヒヤヒヤと楽しんだ。2025/02/07

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