幻冬舎単行本 地獄の底で見たものは

著者名：桂望実【著】

幻冬舎（2024/10発売）

• ISBN：9784344043558

内容説明

離婚、クビ、収入ゼロ……。　
もう、だめかもしれない。
そこからも、人生は続く。
日常に突如現れた落とし穴から、したたかに這い上がる！
『県庁の星』の桂望実が描く、アラフィフ女の低温地獄。
長年夫を支えてきたつもりだったのに、急に離婚を切り出された専業主婦。
新規事業を立ち上げて15年、働きぶりを否定された会社員。
ともにオリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。
22年間続けたラジオ番組をクビになり、収入が途絶えたフリーアナウンサー。
どん底に落ちた女たちの、新たな人生の切り開き方とは？

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[とよぽん]

4編それぞれに、ある程度キャリアを積んだ女性や専業主婦歴28年という女性が主人公。人生中盤から後半にかけて突然やってくる理不尽な危機に、うろたえながらも健気に乗り越えようとする。読者も伴走しているかのように引き込まれて。地獄の底とは少し大げさだが、当事者の突き落とされた感はそのような衝撃なのだろう。暗転から好転までの話ができ過ぎという印象はあるが、そんなストーリーを楽しませてもらった。そして、4編ともに「男って・・・・」というオチが待っている。

2025/03/05

[nonpono]

題名が気になった。帯の「アラフィフ女の低温地獄」ときたか。よく見ると確か映画化した「県庁の星」の作者の方なんだ。急に人生がシャットアウトしそうになる女の短編集。そして自分の立ち位置を自分を知り、「したたかに」這いあがる女達の底力。中でもオリンピックを共に目指した教え子からチェンジされる水泳コーチのお話。実話である小学校からの教え子をずっと指導してオリンピックでメダルを獲ったあるコーチの生き様を思い出した。家庭の幸せかオリンピックか。勝てば官軍じゃないが良くも悪くも何かに賭すことそれを貫ける人は凄いんだと。

2025/03/29

[ネギっ子gen]

【先のことを考えて不安になってたってしょうがない。頑張れば何とかなる】アラフィフ女性4人による痛快リベンジ話。帯にある如く、“もう、だめかもしれない。そこからも、人生は続く”ため、地獄の底でヘコたれず、“元凶”の男どもに仕返しを！「第一章　五十三歳で専業主婦をクビになる」では、夫が若い女に走って離婚された由美。働こうと思うが、最後に働いたのが２８年前。スキルも資格もない。お先真っ暗な状態の一人暮らし。＜言葉を発する機会が極端に減った。そのうちに声の出し方を忘れてしまうんじゃないかと、不安になった＞と……⇒

2025/01/19

[みかん🍊]

スカッとする作品、いきなり離婚された専業主婦、頑張って働いてきたのに仕事の出来ない社長の腰巾着に先を越され取締役になられた部長、選手に逃げられた水泳コーチ、ラジオパーソナリティの仕事を切られたフリーアナウンサー、裏切られたりどん底に落とされた女性たちが立ち上がり戦い自分の居場所を手に入れる、そして陥れた相手が後悔する、復讐するわけではないがザマーミロと痛快な4編、特に冒頭の若い女に入れ込み落ち度のない妻を捨てる夫が最低だった、捨てておいて図々しすぎる。

2025/05/12

[ゆみねこ]

好きな人が出来たからという理由でいきなり離婚を切り出された専業主婦、新規事業を立ち上げ軌道に乗って来たのに後輩男性が役員になり働きぶりを否定された旅行会社の社員。15年間育ててきたオリンピック候補の教え子に逃げられた水泳コーチ、22年間続けたラジオパーソナリティをクビになり収入が途絶えたフリーアナウンサー。どん底に落とされた女性たちの逆襲劇はとても面白く共感出来た。

2025/05/30