内容説明
自民党衆院議員が妻の参院選出馬に際し、地元の議員らに現金を自ら配って回った前代未聞の買収事件。その額は100人で計2871万円にのぼる。なぜ、この事件は起きたのか。本当の“巨悪”は誰なのか。広島の地元紙が総力を挙げて「政治とカネ」の取材を続けるうち、買収の資金源とも目される自民党の巨額「裏金」問題へと繋がってゆき…。政権中枢の巨額「裏金」疑惑に広島の地元紙「中國新聞」が切り込んだ渾身の調査報道。『ばらまき 河井夫妻大規模買収事件全記録』の内容に、22年以降の取材の経過を大幅に加筆。買収資金として安倍政権幹部4人が裏金を提供した疑いを示すメモを手がかりに、政権中枢の闇に迫る。巨大な権力の壁にひるまず、真相に迫り続けた取材の裏側を描く執念のノンフィクション!――「事件はまだ終わっていない」
目次
はじめに 「事件はまだ終わっていない」
第1部 事件
第1章 異例ずくめの選挙
第2章 河井夫妻
第3章 「文春砲」と反転へのスクープ
第4章 総力取材
第5章 告白・辞職ドミノ
第6章 被買収者
第7章 自民党の根深い金権体質
第2部 法廷
第8章 百日裁判
第9章 案里 公判
第10章 克行 公判
第3部 真相解明へ
第11章 政権の責任
第12章 克行公判、判決へ
第13章 被買収者の責任
第14章 「被買収」裁判
第15章 反転のスクープ再び
第16章 克行が仮釈放
第17章 病巣
第18章 国会の自浄能力
おわりに 「問われるのは私たち」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
明るい表通りで🎶
68
自民党の根深い金権体質と、それらを温存する法制度、そしてそうした法制度を変えようとしない永田町の大きな力。本書は、そうした巨大な権力の壁にひるまず、真相に迫るべく取材を続けた中国新聞社の記者の記録。事件はまだ終わっていない。終わらせてはならない!2025/06/04
Lara
62
2019年に行われた参議院選挙にて、大きな買収事件が行われ、河井克行、案里夫妻は議員を辞め、逮捕された。広島県の議員、関係者、計100名に28百万円ものお金が配られた。且つ、自民党本部からは1.5億円もの選挙資金が河井議員側に送られている。中国新聞(本社・広島)の記者たちが、地元の不祥事の解明に挑んだその記録だ。結果、更に68百万円もの資金が河井夫妻側に流れているようだ、だが大手新聞社は調べようとしない。更なる闇。どうしたことなんだ?2025/01/23
活字の旅遊人
39
広島の地方紙が追い続けた河井夫妻の選挙に絡む事件。この手の話は、新聞社の自画自賛的部分も目につくのだけど、結構失敗談も入っていてリアリティを感じた。事件の流れと結末からすれば、河井さんたちもある意味被害者というか、慣習と権威とに従っただけなのかな。なんで今回自分(だけ)が? と思うよね。国家の機密費を、党の選挙に使うとなれば、一党独裁、いやいや党が国家の上に立つ国みたい? 検察の姿勢も問題だし、全国紙が後追いしない謎も闇だよ。落選した溝手さんも当選していたらここまで騒ぎにならなかったのかもな、と思った。2025/09/17
セロリ
37
2019年7月に行われた参議院選挙広島選挙区で発生した河合事件。その後法務大臣になった河合克行の妻案里が初めて挑戦した国政選挙で、100人に現金がばら撒かれた事件だ。地元だからこの事件ことは今でも苦々しく思っているし、忘れてもいない。この本は、この事件をプライドを持って追いかける記者たちの記録だ。きっかけとなった週刊文春のことや、他紙にスクープを出されたときの心情など、とても赤裸々で業界の話として面白い。取材対象との間合いやチームの動きなど、Netflixでドラマ化してほしいと思ったくらい面白かった。2025/04/29
もえたく
22
単行本『ばらまき 河合夫妻大規模買収事件全記録』に、その後を約150頁も加筆した文庫版。2019年参院選広島選挙区で起きた元法務大臣河合克行が、妻の案里を当選させる目的で地方議員や市町長、後援会員ら100人に総額2871万円をばらまいた事件を詳細に取材し、裁判、そして河合夫妻の出所後まで、詳らかにした力作でした。まだ、最近の事件なのに、その後も色々な事件がありすぎて、忘れ始めているというのが怖い。だからこそ、文庫で残しておくのは意味があるかもしれない。2025/09/11
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