内容説明
泰山府君、牛頭天王、金神、八王子、大将軍、盤古大王、土公神・・・・・・。冥界や疫病、あるいは暦や方位などに関わる神々。陰陽道の信仰にもとづいて祀られてきた神々。忘れられてきた、もう一つの日本の神々。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
11
泰山府君、牛頭天王、盤牛王、黄帝黄龍といった明治以前に信仰されていた神々について『簠簋内伝』などのテキストを元に読み解く。泰山府君が安倍家など宮廷陰陽師によって運用されていた神でありそうした陰陽道では漢籍が重視されていた。一方の『簠簋』に現れる神々は陰陽道系の民間信仰で用いられ、典拠は『簠簋』内の神々の物語だった。盤牛王は梵天であり堅牢地神であり毘盧遮那、牛頭天王は天刑星にして毘盧遮那にして素戔嗚…と様々な本地を記しており、日本の信仰が神道や仏教、陰陽道と簡単に分けられるものでは無かったことが見えてくる。2024/10/21
Go Extreme
2
陰陽道の神々ー単純な善悪二元論では説明できない複雑な世界観を象徴 多様性と役割の重複ー同一の神が複数の名前と役割を持つ 方位の吉凶ー方位の吉凶が神々の配置と結びつく 陰陽道の多神教的特長 神々と自然現象の結びつき 泰山府君信仰ー死後の魂の行方を決定する神 牛頭天王の信仰変遷ー疫病除けの神→方位神や災厄除けの神 陰陽道の呪術的側面ー祭祀や祝詞重要視 神道や仏教との融合ー神仏習合的な信仰体系 方位と時間の概念の重視 陰陽道の変遷と時代適応ー 民間信仰や他宗教との融合 儀礼と祝詞の重要性 善悪二元論の否定2025/01/10
すいか
1
泰山府君と牛頭天王を中心に、陰陽道で祀られる神々の複雑な成り立ちを、文献史料の詳細な分析をもとに組み上げていくことで、陰陽道が日本古来の神道や大陸由来の仏教道教の影響を色濃く受けながらも、平安時代の宮廷陰陽師に対する民間陰陽師集団が形成されていく過程で、さらに広範な民間説話も取り込んで中世神話とも言うべき独自の神話体系を持った宗教として形作られていく様を解き明かしていく過程が刺激的。季節によって方位を移動する吉凶の神々(暦注神)という考え方は、中国の風水思想とどの程度関わりがあるのだろうか。明治新政府に→2025/01/16
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