内容説明
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人口200万弱の小国ながら日本の15倍もの図書館(人口比)を擁するラトヴィア。市民に愛される通称「光の城」として機能する秘密は? 第一人者である筑波大学教授が、言語文化、読書文化を守り育てる図書館の本質に迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
23
北欧の図書館を紹介するシリーズの著者によるラトヴィアの図書館の紹介本なので期待が膨らんだが、全体的に硬く、こなれてない感じも。フィンランドなどでは図書館は様々な創造的行為や交流の場、社会的な活動の拠点となっているが、ラトヴィアの場合、ソ連時代に抑圧されていた自分たちの言語文化を復興、保護することが最優先であり、詩の朗読や青少年の読書文化の促進など従来型の図書館の機能に重点が置かれているという違いがある。/日本の図書館も読書推進以外の活動はあまりないが、公民館が文化活動を担っているとの説明あり。なるほど。2024/11/21
練りようかん
12
多様化する利用目的で見えなくなる本質を、日本の15倍もある国の図書館研究を通して問い直す1冊。情報文化の公平性という理念を徹底し、ロシア占領の経験から自分達の文化発信を重んじる印象を受けた。表紙は寄贈本の棚でその図書を選んだ理由を残す取り組みが素敵。コロナ禍はデジタル資料を解禁し、平時も海外から電子図書館にアクセス可能。フェイクニュースを信じてしまう高齢者のリテラシー支援もし、誰も置いていかない姿勢が見える。面白いのは貸出による損失を作家や装丁家などに還元する補償金システムで、文化の守り方が学びになった。2025/08/04
お抹茶
3
欧米の図書館は情報と資料の提供を基調としながらも,無料法律相談や料理教室や子供へのランチ提供など地域センターの役割も果たしている。ラトヴィアの公共図書館数は日本の十五倍以上。ラトヴィアには厳格な国家認定制度があり,民主主義国家における生涯学習機関としてのレベルを維持している。作家も日常的に図書館を訪れ,無償でイベントを引き受けることもある。EUには,図書館での貸出による損失を作家に補償する公共貸与権制度がある。図書館員がガイドを務める文学散歩も定着している。図書館は文化保障の拠点という理念がある。2025/02/12
ふじひよ。
0
日本の図書館とは熱さが違う。2025/03/30
かふん
0
人口わずか200万人ほどのラトビアに、日本の15倍以上の公共図書館があり、国民のアイデンティティを育み、文化を継承する重要な拠点となっていく過程も描かれている。特に図書館が『魂の薬局』と呼ばれていたことが印象的だった。コロナ禍での利用者アンケートなどの記載もあったが、そういった災害時でも図書館は薬局であり、人々の心を癒やすものだったんだろうな。2025/01/01




