資本主義の中で生きるということ

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資本主義の中で生きるということ

  • 著者名:岩井克人【著者】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 筑摩書房(2024/10発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480864857

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内容説明

貨幣とは何か、資本主義とは何かを鋭く問い続け、従来の経済学の枠組みを超える新しい理論を構築してきた第一人者による、知的魅力あふれるエッセイの集大成。

目次

I エッセイ四編/ファンレター/私の「幸福論」/「自己疎外」と資本主義の論理/『高慢と偏見』と資本主義の倫理/II 半歩遅れの読書術/吉川英治『宮本武蔵』/E・H・ゴンブリッチ『美術の物語』/シェイクスピア『ロミオとジュリエット』/アガサ・クリスティー『茶色の服の男』/網野善彦『古文書返却の旅』/III 時代の中で考える 1──『思潮』から(二〇〇〇─二〇〇四)/小津安二郎と黒澤明──日本映画の二つの世界性/「瓶の妖鬼」を読む──「貨幣」の交換と「魂」の交換/『マイ・フェア・レディ』考/市場と人権/「言語・法・貨幣」が人間を自由にする/経済学の「論理」と環境問題の「倫理」/「アメリカ、アメリカ」/「会社は誰のものか」再考/エンロン事件と経営者の倫理性/会社はこれからどうなるのか?──サーチ&サーチ社と株主の没落/デフレはなぜ悪いのか/資本主義社会とエクイティ/経済学を学ぶことの幸運/IV 時代の中で考える 2──『経済教室』その他から(二〇〇八─二〇二三)/資本主義は本質的に不安定/自由放任主義の第二の終焉/期待が根拠、それがお金/インフレが資本主義とシェイクスピアを生んだ/国際通貨と資本主義の未来/ビットコインと『貨幣論』/ピケティと株主主権論/戦後七〇年に考える──「日本型会社システム」の可能性/明治維新一五〇年に考える──「日本資本主義論争」を超えて/「社会契約論」再考──コロナ危機と二つのディストピア/グローバル化とその「敗者」/ポンコツ資本主義の修理法/V 時代を超えて考える──『貨幣論』以降の研究から/『貨幣論』の系譜/なぜ人文社会科学も「科学」であるのか/新しい会社の形を求めて──なぜミルトン・フリードマンは会社についてすべて間違えていたのか/信任関係の統一理論へ向けて──倫理と法が重なる領域として/文楽と信任関係──「信任関係の統一理論へ向けて」付録/VI 時代の中で自分を振り返る/私の幸運/夏目漱石と「開発と文化」/経済学を学ぶことの幸運、日本で経済学を学ぶことの使命/『経済学の宇宙』あとがき/VII 亡き人を悼む/弔辞 石川経夫君(一九九八年六月三〇日)/佐藤和夫先生(二〇〇一年九月二一日)/「大人」逝く──辻井喬さん追悼(二〇一四年四月五日)/宇沢弘文先生追悼(二〇一四年九月二八日)/「師」としての小宮隆太郎先生(二〇二三年六月)/あとがき/人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

92
著者は現在の経済学者の中では第一人者であると感じています。これはエッセイ集なのですね。若干日経新聞の「経済教室」の小論が収められているので頭の体操にはなります。さらにもう少し経済学に踏み込んだ「時代を超えて考える」ではかなり手ごたえのある貨幣論を展開されておられます。変わったところでは「半歩遅れの読書術」で「宮本武蔵」などが取り上げられていています。また「高慢と偏見」についてのエッセイも楽しめました。楽しめました。2024/10/13

Sam

49
エッセイ集。テーマの重複も多いし凝り性のご性格ゆえか必ずしも読み易いものばかりではないが、とても興味深く読ませていただいた。中庸を地で行くようなお人柄である一方、「せめてものを考えるときは大胆に」というお言葉の通り舌鋒鋭く核心を突いていく。「フリードマンはなぜ完全に間違っているのか」なんて新自由主義のチャンピオンを相手に胸がすく分析ではないか。有名な「法人2階建て理論」に関する論文で、AIの登場とともに「ヒト」と「モノ」という2分法が修正を迫られるかもしれないという注書がとても気になった。2024/10/01

逆丸カツハ

49
本当にこの人の本を読んでよかったという書き手が何人かいる。岩井克人は自分にとって紛れもなくそのうちの一人だ。この人の本に出会えて、本当に幸せだと感じている。2024/09/28

壱萬参仟縁

42
自己疎外とは、他者による批判(20頁)。批判を恐れて情報発信などできない。資本主義とは、アイデアを持つ人がおカネを持つ人からおカネを借りて、アイデアを実現するための投資を行っていく仕組み(95頁)。金持ちがアイデアを持ってればいいのだが、ビンボーがアイデアを実現する術が重要だ。産業資本主義:大量生産を可能にする機械制工場を利潤の源泉とする資本主義(157頁)。マーシャルの高弟ケインズも新古典派経済学者として出発。2025/08/05

まゆまゆ

16
2000年以降の新聞コラムなどをまとめた内容。当時からデフレを批判し、ポスト産業資本主義としてカネからヒトへの変化を指摘していたが、貨幣論を踏まえて現在のインフレ社会はどう評価しているのだろうか。少なくともしばらく資本主義経済に変わる新たな考え方は一般化しなそうだけど……2024/12/16

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