内容説明
※本書は2004年に中央公論新社より発刊した『あなたの脳にはクセがある―「都市主義」の限界』を改題し、再編集したものです。データ・所属、肩書などは掲載当時の内容をそのまま掲載しております。
養老孟司が、身近なニュースを独自の視点で分析。現代人の生き方を根本から問い直し、「考えなければ」たどり着けない「面白い世界」へと導きます。養老孟司が提唱する「唯脳論」「自然主義」などの思想を集めた普遍的な名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
51
やはり、時々は養老先生の文章に触れることがいいなあ~と思う。時間を超えて、そうそうと思うこと。自分の中にあるものを再認識できる時間になる。それは、共感できるものが多いからかもしれない。人が生きるとは、どういうことなのか。どういう環境と時間軸の中にあるのかを考え続けること。2025/03/31
ムーミン
28
同じ文を何度も読み直しました。深く面白いと思いました。2024/11/24
ふくい
5
氏の著作は6,7冊目あたりか。過去の執筆のより合わせであった。さすがに言いたいことが予想できる程度にはなってきた。2024/12/01
Tomitakeya
4
考えることの大切さを思う。人は自然から離れて、すべてをコントロールしようと都市化してきた。それは脳化ともいえる。都市とは人がイメージした通りのものでしかない。そこには自然の入り込む余地がない。とか「歴史を消した」日本と「歴史のない」アメリカとか、著者の考えの深さや視点に考えさせられた。再度読みたいと思えた本だ。2025/07/22
さちめりー
3
先生直筆の表題のみで文庫に添えたまえがきもあとがきもないのは、なぜだろう。ページを開くと、2004年発行の『あなたの脳にはクセがある「都市主義」の限界』を改題再編集したものとあり新刊だと思い込んでいたので拍子抜けしてしまった。が、先生の論は普遍的であるし、未見な内容もありおもしろく読めた。20年前の先生の口調はややシニカルでそれがまたいい。東大紛争をはじめとする学生運動の構造を都市化の点から考察していて目を見張った。英語でなく日本語で論じる方法を人生をかけて選択したという告白に熱い心意気を感じた。2024/12/15