内容説明
学生のうち10人に1人が自傷経験がある時代。なかなか自傷から抜け出せず、大人も自傷する傾向にある。しかし、社会的には自傷に対する偏見もあり、たとえ回復しても友人や家族に言い出せなかったり、傷を隠しながら生きなければならない。
著者の村松英之は形成外科医としてリストカットの患者の治療を行いながら、2022年には、日本自傷リストカット支援協会を設立。患者のサポートのほか、医師への啓蒙活動を行ってきた。
本書は、当事者へのインタビューを通して、心と体の守り方を紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あゆお
7
最後の手術の方法のところ以外読んだ。自傷から回復して1年、半袖を着る時はまだ生徒にバレないかと少し気になるけど、プライベートではだいぶ気にせず過ごせるようになってきた。形成外科医からの目線が新しかった。決めつけたり、否定したりせず、人間として自傷をする人の気持ちに寄り添おうとし、なおかつ医師として実際的に処置を行おうことができる筆者は、仏かと思う。2025/01/25
きゅー
5
自傷という行為を形成外科医の視点から綴った興味深い一冊。リストカットの自傷痕を医療によって見えなくしようと希望する患者との対話によって生まれた気づき。松本俊彦医師が執筆に協力しているようで、精神医学的なアプローチも含めて「自傷」という現象と向き合う。もし自傷とは何だ、なぜ人は自傷をするのかと疑問をいだいている読者がいれば、その理解の一助になるだろう。「傷跡は自分のアイデンティティを支える大きな要因の一つであることが見て取れます」とある。烙印としての傷跡、自身の歴史を肯定する傷跡。それぞれに歴史がある。2025/07/03
🍭
4
493(内科学)、図書館本。2024年10月2日発行。自傷行為(本書では主にリストカット)について形成外科医の著者が外来患者の傷痕について考え、自傷について向き合っていく患者の社会(家庭・学校・職場)への再接続についての考えがまとめられた内容。医学系の本というよりかはエッセイ的な内容で、普段本を読まない人でも読み易そうな文体。自分はリストカットへの偏見少な目、コスパのいいストレスコーピング手段だと考えているので、sosとしての自傷、自分への赦免としてのリスカへの理解は進んでほしい。od・飲酒より経済的。2024/11/07
はる熊猫
3
「どれだけつらいか、大変かは自傷行為の程度や置かれている境遇で単純に比較できるものではありません」―全ての医者がこういう考えであれば良いのに。相談相手や治療について優しく具体的に指南した、良い医学書だ。傷跡を消す治療費はやはり高い。出てくる自傷経験者が女性ばかりなのは気になった。2024/10/31
yukusaki_kmsh
3
自傷による傷を治療する形成外科医の立場から、自傷するクライエントたちの心の傷やその機序について書かれている。当事者の話を豊富に引用しているため心の動きをリアルに追うことが出来わかり易く、また文体は優しく今現在辛さを抱えている人への情報提供や1歩踏み出すきっかけにもできるような本であった。2024/10/25
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