内容説明
母の納骨を終えた作田まひろ(22)は、「別れ」を受け入れるため、幼い日に母と一度だけ訪れた寿司店にやってきた。海辺の町の鄙びた商店街の「江戸前夕凪寿司」という小さなお店。意を決して暖簾をくぐるも、ランチ営業はちょうど終わったところだった。がっかりしたまひろだったが「ちょっと、お客さぁん」と若い女性の綿飴みたいな声に呼び止められ、まかないの海鮮丼をいただくことに。「さやかさん」と呼ばれる声の主は、ふんわりした見た目とは裏腹に、丁寧な「仕事」をする凄腕の寿司職人で――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
176
とても寿司屋の常連にはなれないけど、こんなお店があったら良いな。海辺の街でひっそりと商うお寿司屋さん。親からのDVにトラウマを持つ女性や、妻に浮気されて別れた社長が集う。そんなお客さんにめちゃ美味しそうな創作寿司を出す女大将。先代も良い感じだし、未來はちょっとクセ強だけど、悪いこじゃない。彼女の過去も辛いものだったけど、さやか達の優しさにホロりとした。2024/11/06
あすなろ@no book, no life.
173
強い海風が透明な塊になって、どんっとぶつかってきた。自分がどちらを向くかで凍える様な逆風も追い風に変える事が出来るかもしれない。そんな森沢氏らしい寿司屋を舞台とした作品であった。正直特に大きな動きや派手な動きがある訳ではない作品だったのであるが、そういう心の機微やその描写を読んで行きながら自分も元気付けられるという作品かな。それでいいんだ、皆一緒の向きあるんだ、という。後、描かれている寿司が如何にも美味しそうでした。2024/12/12
しんたろー
133
久しぶりに読んだ森沢さん....う~ん、何故か以前のように泣けなかった。大好きな寿司が題材になっているので過分に期待したのかも知れない。登場人物は著者らしい素敵な人達だし、優しいタッチの文章も相変わらずなのに響いてこないのは、物語に深みを感じなかったのは今が読むタイミングではなっかたということか⁈それでも、年齢が近い金光社長の話には大いに共感できたし、ホッコリする「森沢ワールド」は堪能できた。殆どの作品を読んでいるファンゆえに辛口な感想になったが、最新作の『桜が散っても』は必ず読みたいし今後も期待したい♬2024/12/19
モルク
132
海辺の町の寿司屋「江戸前夕凪寿司」を舞台に、大将である凄腕の寿司職人さやか、店の手伝い未来、さやかの祖父であり伝説の寿司職人伊助、常連さんと親の呪縛から解放され懐かしい店に偶然訪れたまひろの織り成す物語。さやかの腕と包容力、言葉の返し…とてもいい。森沢作品だけあって悪い人は出てこない。ただ知ったかぶりの成金おやじだけは別だけど、こいつは皆で「ギャフン」と言わせてやったし(笑)楽しかったし、心和ませていただきました。2025/12/14
Karl Heintz Schneider
126
両親を事故で亡くしながらも祖父の味を守るべく夕凪寿司の看板を背負う女性寿司職人さやか。タイトルも「さやかの寿司」だし当然彼女が主人公だと思ったけどボロボロの状態で店に迷い込んできたまひろ、とある事情で店に居候している未来、ふたりの話を中心に物語が進んでゆく。主人公としては影が薄いような気が。でもさやかの綿あめのような声はいつの間にか、ふたりの傷ついた心を癒している。「天才はさやかさんですよ。」未来の放った何気ないひと言が物語っている。そこにいるだけで周りの人を安心させてしまう。やっぱり主役はさやかなのだ。2024/12/07
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