内容説明
開国後、大和絵、狩野派、浮世絵など日本伝統の絵画は、西洋絵画と出遭い、「日本画」と称すようになった。フェノロサに評価された日本画は、岡倉天心、橋本雅邦らが新設の東京美術学校で確立。のちには日本美術院の横山大観や菱田春草らが技法を追究し進展させる。本書は、幕末の横浜浮世絵や南画から、国家主導で堂々たる作品が制作された明治期、そして、今村紫紅に代表されるのびやかな画風の大正期を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミネ吉
21
江戸の終わりから昭和初期までの近代日本画の歴史を紹介する新書。博物館で何気なく見かける日本画に最近心惹かれるようになり、知識を得ようと手に取った。新書なので小さいけど、ニページに一枚くらいで挿入される日本画にやっぱりいいなぁと心が和む。個人的に好きだと思ったのは狩野芳崖と菱田春草。文章の方はおそらく幅広い内容をコンパクト説明している結果だと思うが、人名の洪水のように思えて入門者の自分にはなかなか読み通すのが辛かった。でも多少の知識はついたかなと思う。これで美術館、博物館めぐりが増々楽しくなりそうだ。2024/08/17
多喜夢
8
美術団体や画家がたくさん出てきて、一度読んだだけでは覚えきれない。絵の紹介をしているのだが、図版がないのでちんぷんかんぷんのところがあった。例えば注目すべきは大観の「山路」ですと言って、何行かに渡って解説しながら、図版を載せていないというようなところがあったのが残念。2021/11/07
Book Lover Mr.Garakuta
7
美術品に関しては何の知識もないずぶの素人である自分には敷居が高い本だったが、作品そのものは美しいなと思ったけど、其れしか思わんかった2019/04/06
chang_ume
7
近代和風文化の成立過程を「近代日本画」経由で見てみようと。これが大当たりでした。西洋との出会いは巨大なインパクトを生み、「写実」「絵具」「主題」などの諸項目を通じて伝統絵画を換骨奪胎していく。近代日本画とはまさしく文化変容の典型なのだ。たとえば近代文芸運動と接続しながら「新しい挿絵」など革新を遂げていく様は、巨大な系としての「近代日本」が姿を現していく過程そのものでしょう。また円山・四条派を母胎とした「京都派」が、伝統的に「写実」重視の姿勢ゆえに「近代化」が容易だったことも興味深い。全てが示唆に富む。2018/12/14
見もの・読みもの日記
4
一般的な絵画史ではあまり触れない南画と浮世絵、それに「忘れられた明治の日本画家」(暁斎に省亭!)を取り上げているのが新機軸。私の好きな絵は大正期に多く「自由を謳歌し、ロマン主義を標榜し、人間性に深く関心を示した大正という時代性」と関わっていることを再認識した。 2019/02/25




