ミステリ・フロンティア<br> 中山民俗学探偵譚

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

ミステリ・フロンティア
中山民俗学探偵譚

  • 著者名:柳川一【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 東京創元社(2024/10発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488020262

ファイル: /

内容説明

昭和21年、栃木県足利郡にてひっそりと暮らす中山太郎の元を、下野新聞の記者が訪れる。探偵小説執筆の参考に、かつて柳田国男に師事し異端の民俗学者として知られる中山の、同時代を過ごした偉人達との交流について話を聞きたいという。明治、大正から昭和初期にかけて、柳田のほか、種田山頭火、宮武外骨、南方熊楠、そして平井太郎らと過ごした日々は、謎に満ちていた――。話を脱線させつつも、中山太郎は奇妙な出来事の数々をゆるりと語っていく。『三人書房』で鮮烈なデビューを飾った著者による、滋味溢れる連作ミステリ。/【目次】「オシラサマ」東北へ向かう汽車の中で柳田国男は奇妙な男と出会う。/「外法頭」宮武外骨と中山は二人で《明治文化探偵会》を立ち上げる。/「百物語」森 外も出席したという百物語の会場で高価な首飾りが消失する。/「秘薬」高橋お伝処刑の際に起きた椿事の背景を、若き日の江戸川乱歩が解き明かす。/「生人形」忘れられた生人形師の作品にまつわる不思議な現象。/「忘れない熊楠」南方熊楠が遺した謎の言葉の意味を下野新聞の記者とともに紐解く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

134
実在の著名人が不可思議な犯罪を謎解きしたり、意外な事実を発見する物語はコージーミステリのパターンとして定着した。シリーズ探偵が読者の期待に応える活躍を求められるように、この人はどんな推理を披露するかとのワクワク感が重要となる。知られざる民俗学者の中山太郎が経験した柳田国男、宮武外骨、江戸川乱歩に南方熊楠らにまつわる奇怪な物語を語っていく仕掛けは、歴史の裏側にひそむ秘密を描く語り口が実に面白い。ただホラーやミステリのテイストは薄く、事件らしい事件も起こらない。本物の中山回想録とされても納得できそうな薄味だ。2024/12/16

雪紫

55
昭和の偉人集合民俗学ミステリだけど乱歩以外は柳田国男、南方熊楠しかわからん・・・。語り口調はかなり視点が変わるので、え、いつのまにこのひとが?と困惑。解決する謎もあればしないまま終わるのも、情勢ゆえ?馴染みがない人物ばかりなので(誰が架空で誰が実在?)わからないまま終わっちゃったけど、ラストに作者の想いを含めたすべてが詰まってる、そんな話。好みは「外法頭」、「百物語」。2025/03/25

団長

48
図書館で見かけた本。民俗学で探偵なんて大好物ですよ。と言うことで借りてみましたが、うーん…。イマイチ入ってこなかったかな。でも昭和初期の荒廃した雰囲気なんかは味わえたけどね。基本解けた謎もありきたりと言うかなんと言うか。実際そんなもんかもしれんけど、せめて小説ではもっと驚くような展開が欲しかったかな。2025/04/04

rosetta

37
★★★✮☆古本屋をやっていた頃の江戸川乱歩を主人公にした『三人書房』でデビューした作家の二作目。中山太郎という実在の民俗学者に話を聞いた記者が小説に仕立てるという体のストーリー。柳田国男や山頭火、宮武外骨、江戸川乱歩、三遊亭圓朝、そして南方熊楠といった時代の巨人たちが登場。推理と言うよりも怪奇な事件のタネ明かしといった趣き。さすが、七十を過ぎてデビューした作家さん、カバーにあるように「滋味あふれる」短編集。2025/02/13

いなばさくら

21
明治から昭和初期を題材にした、連作短編ミステリ。多分デビュー作の「三人書房」が結構面白かったと記憶していた作家さんの2作目かな?デビュー作と同じようなテイストで、現代が舞台のお話以外は極端にペースが下がるわたしには、読みやすいものではなかったです。構成も語り(昭和初期)と地の文(明治)が科白ばかりで大変分かりにくかったです。デビューしたてとはいえ2025年時点で73歳の作家さん、次作があるか分からんけどもう読まんやろな。2025/04/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22154761
  • ご注意事項

最近チェックした商品