内容説明
イギリスの片田舎にたたずむ〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉では、シャーロック・ホームズやドラキュラ伯爵など、名作の登場人物たちが実体化して暮らしている。ひとりの登場人物との出会いをきっかけにこの図書館を訪れた読書好きのバージャー氏は、やがて物語の世界をゆるがすとんでもない事件を引き起こし……。エドガー賞最優秀短編賞を受賞した表題作ほか、同図書館で語り継がれるホームズの逸話、『失われたものたちの本』の世界から贈る短編、次々と怪現象を起こす奇書をめぐる中編の四作品を収録。本と物語がテーマの作品集!/【目次】キャクストン私設図書館/虚ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)/裂かれた地図書──五つの断片/ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事/訳者あとがき/解説=牧眞司
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
65
ヤバい本の話だ。有名な作品の登場人物が実体化してくらす私設図書館、残酷な童話、裂かれた地図書(その出現…連続する不審死、せどり…意想外な手記の害、回想録…抗議する泥、失踪人捜索…オカルト書籍の影、すべての真相…『裂かれた地図の書』)、そして私設図書館に戻って、あのライヘンバッハの滝から落下した探偵の出現と作者の変節に依る混乱の顛末…晩年のドイルが心霊に傾倒した理由。題名の『キャクストン私設図書館』より、『裂かれた地図書―五つの断片』のまるであの“ネクロノミコン”が物語に現出したかのような神秘性に惹かれる。2024/12/31
まちゃ
59
タイトルの図書館に興味が湧いて読みました。<本と物語>がテーマの作品集。「キャクストン私設図書館 」と「ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事」は、実体化した登場人物たちが暮らす不思議な図書館を舞台にした物語。「虚(うつ)ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)」と「裂かれた地図書 ──五つの断片」は恐怖と幻想の物語。神秘的で不思議な世界観に引き込まれる物語でした。2025/01/19
スプリント
12
ラヴクラフトのクトゥルフ風味の「裂かれた地図書」が抜群に面白かった。2024/12/31
りーすひぇん
7
はぁ面白かった…ホラーだと謳われてた『寝煙草の危険』よりもはるかに怖くて、ゾワっとして、不条理。「裂かれた地図書」は中編の長さだけど、もう止まらん。結局これがなんだったのか、もっとネタバレして欲しいけどいいところで止まってるんよな…本って面白くて、自分がリアルで体験できないことを想像させてくれて、ポジティブなイメージしかなかったんだけど、そうじゃない一面があるかもしれないよなぁ。2024/11/14
海苔数
6
表題のキャクストン私設図書館に関する話も面白かったが、それよりもむしろそれ以外のダークファンタジー2編の方が印象に残った。どちらかというとそちらのファンタジーの方向で有名な著者のようなので、そちらも読んでみようと思う。 あと、シャーロック・ホームズ後期の作品に対する評価には笑ってしまった。あれが一般的なんだろうか...?2024/12/15
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