内容説明
視力矯正の新たな選択肢!
レーシックとの違いから手術の流れ、術後のケアまで
ICL手術を徹底解説!
現代社会では、スマートフォンやパソコンの長時間使用による視力低下に悩む人々が増え続けています。文部科学省が発表した「令和4年度学校保健統計」によると、視力1.0未満の割合は幼稚園児で約25%、小学生で約38%、中学生で約61%、高校生で約72%と、過去最高を記録しています。また、成人後に近視を発症する人も増加しており、視力低下が深刻な社会問題となっています。
視力矯正法としては、メガネやコンタクトレンズが一般的でしたが、近年では裸眼で生活できるレーシック手術などの屈折矯正手術が注目を集めています。本書で取り上げるICL手術も、そのような屈折矯正手術の一つです。ICLとは「眼内コンタクトレンズ」のことで、目のなかに人工の専用レンズを挿入し、近視や乱視を矯正する方法です。この手術は適応範囲が広く、高精度の矯正が可能であり、万一の場合にはレンズを取り出して元の状態に戻せるというメリットがあります。また、レーシック手術では改善が困難な強度の近視や乱視に対しても効果的であるため、裸眼での生活を望む多くの人々に支持されています。
本書はICL認定医資格をもつ熟練のインストラクター5人による共著で、ICL手術の基礎知識から、手術に向いている人・向いていない人、手術を受ける医療機関の選び方、手術の流れ、術後のケアまで詳細に解説しています。視力を改善して生活の質を向上させるために、ICL手術を検討している人へ向けて、有益な情報を提供する一冊です。
目次
はじめに
第1章 メガネやコンタクトレンズを使わずに日常生活を送りたい――
生活の質を低下させる近視や乱視の不快感
急増する近視人口
そもそも近視、乱視、遠視、老眼とは何か
近視や乱視の不快感に多くの人が悩んでいる
第2章 高い矯正精度と長期の安定視力を実現!
裸眼で「見える」が手に入るICLの基礎知識
爆発的にヒットしたレーシックはなぜ激減したのか
新時代の屈折矯正法ICLとは
実は長い歴史を持っているICL
レンズの真ん中に穴をあけるという画期的な発明
目のどこに、どんなレンズを入れるのか
ICLとほかの屈折矯正法はどう違うのか
ICLには多くのメリットがある
ICLのデメリットや注意点
ほかの眼内コンタクトレンズとはどう違う?
ICLはいつ受けるべきか
第3章 強度の近視や遠視、乱視を矯正できる!
ICL手術が向いている人・向いていない人
ICL手術に向くのは一般に20~45歳
特に向く職業は消防士、警察官、自衛隊員、医療従事者など
ICL手術に向いていない人
こんなケースでもICLはできる!
こんな目の病気や全身病の場合にICLは可能? 有効? 老眼は?
糖尿病やアトピー性皮膚炎がある人がICLを希望する場合の注意点
日本眼科学会ガイドラインが定めている適応
欧米では適応が広がっているが慎重に考えたいICL
第4章 施設選びから術前検査、術後のケアまで
知っておきたいICL手術の流れ
眼科専門医であることが基本条件
安心・安全に手術を行うためのICL認定医制度
受けてはいけない「ワンデイICL」
きちんと説明してくれる医療機関を選ぶ
最初は一般的な眼科検診から行う
ICLに適応するかどうかを判断するスクリーニング検査
あなどってはいけないICL術前検査
度数決定は「自覚」が重要
サイズ決定のために必ず行う前眼部OCT検査
日帰り手術で手術時間は10~15分程度
当日はかすみがあっても翌朝にはクリアに
[術後のケア]抗菌・抗炎症の点眼薬をさし、保護メガネを使用
[術後の生活]医療機関で指示された注意を守る
術後1年まで定期検査、その後も毎年受診を
第5章 気になるICL手術のリスク――
術後に起こり得るトラブルとその対処法
レンズのサイズ違いで交換・調整が必要な場合
レンズの度数がずれた場合
絶対避けたい過矯正
ハロー現象が気になる場合
乱視矯正ICLの落とし穴
知っておきたいICL手術のリスク
十分な注意が必要な眼内炎
事前の適応診断が重要な角膜内皮細胞減少
外傷によるレンズの脱臼
ICL手術後も近視の合併症には注意が必要
術後、年数が経ってからこんな目の病気になっても大丈夫?
第6章 視力の向上が日々の生活を一変させる
視力矯正手術のスタンダードとなるICLの未来像
視力の向上が生活の質を上げる
ICL術者のこだわり&印象的な症例
Dr.柴のこだわり
Dr.秦のこだわり
Dr.大内のこだわり
Dr.大島のこだわり
Dr.小島のこだわり
付録 5人の凄腕ドクターによる未来のICL本音座談会
老眼用ICLの現状は?
もう一つの眼内コンタクトレンズIPCL
ICL手術のこれから
検査の簡便化は? 費用は? 患者目線の疑問について
ICLに関する正しい情報発信
おわりに