内容説明
孤独死って、案外、幸せなんじゃない?
逗子の実家に独りで暮らす駒田世津子は小説家。20年前、自身の作品『ウバステ』がTVドラマ化された縁で、元TV局プロデューサーの小野坂哲子、シナリオライターの舘川信代、女優の千田友枝、監督の妻だった谷崎寿々の5人で食事会を続けている。世津子の還暦パーティから三年たった冬、寿々が千駄木のアパートで孤独死したという知らせが入った。謎多き死に一同は憶測をめぐらす。年が明けると、寿々の元夫である梶谷も不審死を遂げた。食事会のメンバーにはそれぞれ、2人から遺書めいた年賀状が届いていた。
2人の死に疑問を覚えた世津子は、ほかの仲間に引きずられるように、寿々のアパートに向かう。そこは、世津子が若かりしころ付き合っていた梶谷が住んでいた部屋だった。過去の記憶がフラッシュバックする。そのときから世津子の体調は異変を示し始めた。やがて真相に迫るうち、『ウバステ』のモデルとなった高級老人ホーム「ユートピア逗子」と、世津子自身の出生の秘密に触れることに……。
“イヤミスの女王”が新たに描くミステリーの裏テーマは「老いと死」。昭和歌謡をBGMに「おひとり様の老後」「幸せな最期の迎え方」を描き出す、著者の新境地。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
245
真梨 幸子は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 本書は、正にウバステイヤミステリでした。 著者と同年代なので、本書に登場する曲は全てカラオケで唄えます(笑) このレヴューは、石川ひとみ「まちぶせ」を聴きながら書きました♪ https://www.youtube.com/watch?v=t56g-4y2oSw https://www.shogakukan.co.jp/books/093867332024/10/21
イアン
181
★★★★★★★☆☆☆おひとり様の老後問題を扱った真梨幸子の長編。還暦過ぎの作家・世津子は、自著『ウバステ』のドラマ化が縁で知り合った知人・寿々の孤独死に疑念を抱く。その後、死んだはずの寿々から遺書と思われる年賀状が届き――。不可解な死の連鎖の背後には何があるのか。後悔とも開き直りとも取れる世津子の心の叫びには、「おひとり様」を公言している著者自身の自虐の臭いを強烈に感じ取った。巻末にイヤミス項目満載の「おひとり様終活ノート」が添付されているが、これを生前誰かに見られたら確実に人間関係に破綻をきたすだろう。2025/06/29
いつでも母さん
167
読み友さんが「イヤミスよりかなりずしりとくる。」とレビューしておられた。私が思う真梨さんのイヤミス度は低い(当方比)昭和の名曲が効いている連作5話とプラスアルファ・・ガンダーラの歌詞が今になって刺さるのは現実問題と被るからか(汗)他の4曲は懐かしくもナイフのように闇を抉ってもいた(怖っ)それにしても今作も死ぬなぁ・・2024/10/22
モルク
136
小説家でおひとりさまの世津子と彼女の原作「ウバステ」をドラマ化した際の脚本家、プロデューサー、出演女優、そして監督の妻の5人の女性。還暦を過ぎ終活を考える世代となってきた。まだ早いヨ。でもその時は突然襲ってくる。終の住みかはユートピアか。でもそこも全ては金次第。金持ちが入るユートピアと「別館」と呼ばれる劣悪な場所、髪を短く切られボロい作務衣、何より床擦れ放置が怖い。あぁいやだいやだ。ここでも格差社会は確かに存在する。各章が懐かしい歌の題名となっており、思わず口ずさむ。2025/01/06
ノンケ女医長
136
登場人物たちの平均年齢は、高め。先輩方が、孤独と死へ奮闘しながら、どう結論を出すのかワクワクしたが、やや残念な気持ち。近年、著者は作風を大きく変化させたような気もする。酷薄さや凄惨さが表現から大幅に縮減されていて、どうにも気持ちが収まらない。本来、こういう作品を描きたかったのかな。私には、かなり物足りなかった。2025/01/04
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