男はクズと言ったら性差別になるのか

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男はクズと言ったら性差別になるのか

  • 著者名:アリアン・シャフヴィシ/井上廣美
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 柏書房(2024/09発売)
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  • ポイント 675pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784760155682

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内容説明

大学入試での特別枠は差別なのだろうか。性的弱者への偏見や差別はどうだろう。最近はやりのセクハラ、かすはらなどの~ハラは何がいけないのだろうか。女性にはどう声をかければいいのか。女性に「ほら笑って」はいけないのか。外国人に対する「故郷へ帰れ」はどうだろうか。政治家の発言に聞く「あなたは美人」うんぬんはかまわないのか。
 社会やその地域の文化にはびこる差別や偏見。人種差別だけではなく、男女差別、年代での差別、弱者への差別などなど、一部の人たちへの酷い扱いがはびこっている。
 こうした問題は社会正義という観点から考えると、どのように対処すればいいのだろうか。声高に説教をする老人が話題になったり、ヘイトスピーチ、貧困家庭、児童ポルノの問題、男性の給与や昇進が有利な問題、出演俳優の違法行為による上映中止など、毎日のように耳にするこうした話題。これらはなぜなくならないのだろうか。それは正しい判断なのだろうか。
 哲学が単なる崇高な学問ではなく、身近なツールとして利用できるようになってきた。それを用いてこうした問題はどのように考えればよいのかを、いくつかのキーワードを元に解説していく。
 社会的に地位があり、安定した身分のある人々がなぜこうした問題を考えるのを嫌うのか。差別を受ける側の視点からはどのように考えればいいのかを伝授する。

目次

はじめに 思考のプロセスを見せよう
第1章 白人に向かって人種差別的な言動をとれるか
第2章 「ポリティカル・コレクトネス」は行きすぎたか
第3章 「犬笛」は何が問題か
第4章 「男はクズ」と言ったら性差別になるのか
第5章 「オール・ライヴズ・マター」のほうが正しいのか
第6章 私たちは誰を信じるべきか
第7章 「マンスプレイナー」はどこから水を得るのか
第8章 誰が誰をキャンセルしているのか
第9章 「構造的不正義」は私たちの責任なのか
結び 一番近くにあるバリケード

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

158
社会の中で無給で行われる仕事として家事、さらに家での子供、老人、病人、障害者の世話、これらは資本主義における搾取とされ、女性は不利なポジションに置かれる率が高い。インターセクショナリティ(交差性)への配慮も大事…これは人が複数の抑圧を受けていることを表し、最も周縁化された人々の必要から改革を促す考え方だ。本書でクズというのはジェンダーとしての男の特権、より男らしくふるまう者が行使する特権であり、そうできない男が暴力や支配的やり方でしがみつく特権である。こんな男らしさは沢山だ。色んなヒントを貰える本だった。2026/06/10

katoyann

22
哲学者による性差別についての論稿。表題はSNSで男性をクズだという投稿が禁止されたことに言及しだものである。発話は行為を喚起するためヘイトスピーチは極めて危険であるとする。ただ、男はクズというオンラインの投稿は男性からの性被害に憤る女性の言明であり、構造的な弱者が権力者を罵る時の社会的文脈を考慮した方がいいとする。インターセクショナリティを学ぶ上では参考になるし、何より性差別を利用して資本主義が肥大化しているという批判は的を射ていると思われる。2025/04/11

brzbb

4
性差別だけじゃなく、人種差別、キャンセルカルチャー、環境問題、資本主義の問題点など構造的不正義全般について論じられる。『ひれふせ、女たち』や『存在しない女たち』『バッド・フェミニスト』など引用される本がだいたいすでに訳書が出ているので、これらの本を全部は読んでられないという人にとってはつまみ食いできてお得かも。差別や環境問題に対して個人の影響は微々たるものかもしれない、それでも不正義に加担して生きて平気なのか? と、議論を紹介するだけじゃなく、クルド系イギリス人女性として自身の体重が乗った熱さもある。2024/11/01

もち

3
「白人に向かって人種差別的な言動をとれるか」「『男はクズ』と言ったら性差別になるのか」等の鋭い刃のような章タイトルが並ぶ。全編を通じて反差別を語る書だ。読んでいくうちに、大事なのは文脈を理解しているかどうかなのだな、と感じた。文脈を理解しない差別主義者が、論点をズラすのは英米でも同じなんだな。「私たちは誰を信じるべきか」で、女性というだけで信用してもらえない例が出てくるが、日本でも同じだと感じた。一方で、肉食に関しては、畜産がそんなに土地を必要とすることなど全く知らなかった。2025/04/11

YASU

3
題名からフェミ本を連想したが、もっと現代社会総体への批判を軸とする。当然、反対意見も出るだろうが、私的には頷けるところが多い。ごく控えめに言っても、賛否を問わず読んでみて損はないと思う。X(ツイッター)での雑多な言い争いを傍観しているとしょっちゅう出会う、かなり感情的な言い分のその根拠について、自分なりに再考を迫られるだろう。なにより様々に飛び交う用語(ポリコレとか〇〇ズムとかいろいろ)がよくわかって便利。2025/03/03

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