内容説明
音はふるえる空気の波。大きな音は大きくうねり、高い音は細かくふるえています。左右の耳に届く音はわずかにズレていますが、脳はその差を手がかりに、音がする方向や、どんな場所で響いているのかを判断します。ふたつの耳で聞くことで、より立体的で、いきいきした音の情景が描かれるのです。人間も動物も、日々、さまざまな音を聞きとり、記憶し、くらしに役立てています。オーディオに精通した著者が語る、音と耳のはなし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
81
絵本。オーディオの専門家が書いた知識絵本▽耳(聞こえる)しくみ。音は震える波みたいなもの。太鼓を叩いて皮を触ると皮が震えているのがわかる。たいてい小さなものが出す音は高くて、大きなものがだす音はひくい。鉄や水は、空気より早く音を伝える。ふたつの耳に届く音のずれが、音を出したものの場所を教えてくれる。脳は必要な音だけを選び出してくれることもある。「さぁ、耳をすまして、心にかいたけしきをいっぱい広げよう」2023年。良本2024/08/07
ヒラP@ehon.gohon
28
片耳が少し聞こえづらくなって、耳の大切さ、音の聴こえ方に関心が強くなりました。 聴覚障がいの子や、音に敏感な発達障害の子も身近にいたりします。 耳の構造だけでなく、脳のことも考えつつ読みました。 聞こえやすい音、気に取りにくい音の個人差についても意識して読むと、奥が深いです。2023/06/04
Totsuka Yoshihide
27
高津修・遠藤義人文、長崎訓子絵、(2023)、『聞いて 聞いて!音と耳のはなし』、福音館書店。第70回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(小学校中学年の部)。オーディオの専門家が書いた知識絵本。フランスのアデールさんが見つけた「ステレオこうか」は面白かった。2025/08/06
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
音の伝わり方や、耳に聞こえてくるのはなぜなのかを分かりやすく教えてくれます。音波とは耳に聞こえるからこそ「音」波ですが、聞こえない音波もある。音には生きるためのさまざまな知恵や努力が反映されているもの、というあとがきが素晴らしい。 【第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書】中学年2023/06/03
にたいも
18
初めからあとがきまで興味深い話とで満載。分かりやすい例がイラストとともにたくさん挙げられていて、音が高ければ高いほど、音の波が震える回数が多いんだねとどの子も覚えられそう。なんでアデールさんは、両耳で電話を聞こうと思ったんだろ〜。海の開発が進んで、海が騒音でいっぱいでイルカたちが大変、という話には触れていないけど、発展的にそのあたりを調べるのもいいかも。物理が嫌になっちゃった高校生にもぜひ一度読んでほしい。読書感想文コンクール2024#NetGalley2024/05/26