中公文庫<br> 子どもと文学 増補新版

個数:1
紙書籍版価格
¥1,100
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

中公文庫
子どもと文学 増補新版

  • ISBN:9784122075580

ファイル: /

内容説明

子どもの文学はおもしろく、はっきりわかりやすく――。戦後日本の児童文学をリードした著者たちが、その草創期に、小川未明や新見南吉らの作品、昔話やファンタジーを読み解き、子どもにとって真に大事なものは何かを追求した児童文学論の記念碑的著作。新たに石井桃子・瀬田貞二の連続講演、鈴木晋一による回想記を収録。〈解説〉斎藤惇夫

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひでお

5
1960年に出版された、こどもの本のあり方についての論考です。小川未明や坪田譲治を鋭く批判している内容は、当時としては画期的というか、衝撃的な考え方だったのだと思います。しかし、よく考えれば、こどもの本は読み手であるこどもたちが理解し、受け入れることが大切で大人視点の批評が重要なのではない、ということは当然のことです。ところで今書店にいってもなかなか、こどもの本を豊富に扱っている店が少ないのは残念なことです。図書館を含め、こどもたちが、想像力を膨らませる本に出会う環境を維持したいものです。2024/10/24

鳩羽

4
戦後日本の児童文学の土台を作った著者陣による、小川未明や浜田広介、坪田譲治などの作品が本当に子どものための作品だったかという鋭い分析に加えて、子どもの文学とはどうあるべきかの概論、講演録などを一冊にまとめた本。大人の文学と子どものための文学は、異なる尺度で計られるものだと思うが、子どものためと言いながら創るのは大人であり、選び与えるのもまた大人であるというジレンマが見え隠れする。こういう論争がある方が面白いし、作品世界が深まってよいと思う。「不思議の国のアリス」が絶賛されているのだけが、よく分からない。2025/03/09

小説大好き

1
その後の児童文学研究に影響を与えたいぬいとみこによる小川未明批判を目当てに読みました。それぞれの著者が自由に論じる論集だと思い込んでいましたが、全体的な主張が統一されており、一冊通して読む価値を感じました。とりわけ、「素材/テーマ」「想像/情緒」といった、混同されがちな要素を別物として取り扱う態度や、時代に合わせた複雑性がファンタジー形式に結実したという議論は納得できるものでした。ただ、子どもを一元的に評価しているリリアン・スミス『児童文学論』をすぐれた研究と述べていたり、内容に古さはどうしても感じます。2025/01/05

よっちん

0
研究室2025/01/21

0
巻末で解説を書かれている斎藤惇夫氏の講座を受講するにあたり購入。名前はついているものの実体が不明瞭であった当時の日本の児童文学を手探りで削り出してゆく様子がわかる。2024/11/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22110259
  • ご注意事項