内容説明
江戸の初期、吉原遊廓は大いににぎわっていた。当時、市井の人々には敷居の高い廓内の出来事を伝え、好事家たちの注目を集めていたのが「遊女評判記」、いわば遊女に関する情報誌である。馴染み客との恋愛やトラブルから、歌舞伎役者や座頭が嫌われた理由、ライバルの悪評を画策する遊女、新造と呼ばれる付き人の少女とのさりげない会話まで――。気鋭の歴史研究者が貴重な文献をもとに甦らせる、なにげない吉原の日常。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あらたん
55
図書館本。大河で吉原の歴史に興味を持って読んだ。この本で取り上げられている話は蔦重の生きた時代よりも少し前。あらためて遊女の生活は過酷だったんだな、と実感。また、江戸時代の風俗を記したいろいろな書物が結構残っているものなのだと感じた。2025/02/03
たけはる
9
吉原関連ということで購入。「通っていた客や遊女以外の遊郭労働者」という視点からみる吉原というのは新鮮でおもしろかった。確かに、当然遊郭には遊女以外の人々もわんさかいたのだ。こういう方面での研究も、もっと見てみたいものだと思う。2025/02/26
funuu
5
吉原の本 昨年の10月出版 べらぼう では吉原が美化されすぎかな? 最初は 大名も豪遊していた 吉宗が質素倹約で禁止 財政難もある 一晩 50万から70万 かなりの金持ちの買春場 日本も戦前までは国の管理 戦後は売春禁止法で廃止 ソープランド デリヘル は残った ホストの色恋営業で タチンボウまで登場 マッチングアプリもある いつまでもなくなりない売春、買春2025/06/18
冬峰
3
遊廓の大まかな仕組みや生活模様について、当時書かれた評判記を元に書く。吉原はいわば公娼であり、時代が下ると違法な岡場所が増えて苦戦、そのぶん遊女たちの待遇は悪化していく。その手前の繁盛していた時代がメイン。人身売買ゆえ暗い部分ばかり取り上げられがちだが、それ以外の部分もあるんだぞ、というのが本書の目的らしい。おかげであまり暗い話はなく、さらっと遊廓内の習俗について知れる。…のだが、なぜ引用文を地の文に続けて書くのか。区切るなり囲むなりして、ちゃんと著者の文とは違うのだとはっきり示してほしい。読みにくくて…2025/12/25
DJひよこ
2
「べらぼうに大変」 遊廓というと華やかな花魁のイメージなどがあるが、確かにそれは一部時代のごく一部の一時期だけの栄光であるということを知った。 確かにこの地域は繁華街からは遠い為、気軽に行くという場所ではないんだなと感じた2025/03/08




