宝島社文庫<br> 焼けた釘を刺す

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宝島社文庫
焼けた釘を刺す

  • 著者名:くわがきあゆ【著】
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • 宝島社(2024/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784299060228

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内容説明

『このミス』大賞・文庫グランプリ受賞作
『レモンと殺人鬼』著者のデビュー作が、待望の文庫化!


狂気が加速する驚異のどんでん返し!

千秋と杏――
二人の物語が交錯したとき
世界は一変する

(あらすじ)
ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見された。必ずや犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく。一方ブラック企業に勤める杏は、上司のパワハラに苦しみながらも優しい先輩に心惹かれていた。しかし、先輩が同僚と付き合っているかもしれないという疑念から嫉妬が渦巻き……。※『焼けた釘』(産業編集センター)を改題・文庫化

【著者について】
くわがきあゆ
1987年生まれ、京都府出身。京都府立大学卒業。第8回「暮らしの小説大賞」を受賞し、本作で2021年にデビュー。2022年、『レモンと殺人鬼』で第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞。他の著書に『復讐の泥沼』(以上、宝島社)など。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

341
存在自体を知らずに読んでいなかった一冊。これまでの二作もそうだが、とにかくぶっ飛んだサイコな人物を描くことに徹して、一点突破で勝負をかけてくるので、作品ごとの出来にあまりブレがない。悪くすると、どれも同じような読み口になりそうなものなのに、そうはなっておらず各作品ごとにきちんと違った趣向や面白さがあるのも良い点。今回は主人公千秋がだいぶ序盤からサイコな本性を全開に吐露してくるので、どう山場を作ってくるのかと思っていたら、叙述トリックを仕込んでくるとは。好きな人にはたまらないタイプの作家さん。2025/01/25

のり

68
承認欲求が強く、歪んだ愛を求める者と、ブラック企業で疲弊しながら、恋をすることで心身のバランスを保とうとする者の話が交互に進む。この者達が殺人事件を含め、どこで交錯するのか…今回も作者に見事にやられた。それにしても痛々しく、救いのない話を毎回よく考えられるものだ。しかも、これがデビュー作だったとは…2025/04/16

akiᵕ̈

34
まんまんと。まんまと作者の思う壺の中にどっぷりと。後輩が殺され、その犯人探しをしていく千秋と、上司のパワハラに苦しむ杏のパートが交互に物語は進んでいく中、この全く接点のない話がどう着地していくのか、リーダビリティもスゴいが、千秋のサラリと描かれている狂気性に取り込まれながらその行方が気になる展開。核心に迫った時、予期もしない落とし穴にストンと落ちてしまった感覚。そこからラストまで、あの方の愛の形は更なる狂気を産んでいく不穏さを孕んでいた。2024/10/14

むつこ

32
出版3冊目ですがデビュー作、この小説の後ろの解説で紹介されていましたが、たしかに「このミス」大賞以前だろうと思われる、もうちょっと力をつけたほうが良さそうな雰囲気を感じたが中盤「そう来たか!」と、まんまと騙されて、宝石の原石を見つけた感覚で読了。幼なじみが殺害され、真犯人を捜す主人公はその幼なじみの服装を着て周囲を探索する。それだけで「こわ!」となるが先が気になりサクサク読む。このままどんどん実力をつけてほしい。2025/02/08

よっち

31
ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見され、犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の関係者たちに接触していくミステリ。萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく千秋。一方ブラック企業で上司のパワハラに苦しみながら優しい先輩に心惹かれていた杏は、先輩が同僚と付き合っているらしい疑念から嫉妬が渦巻く展開で、2人の視点から描かれていくストーリーで描かれる執念深さにもなかなか来るものがありますが、それが交錯する結末の意味には見事にしてやられました。2024/10/30

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