- ホーム
- > 電子書籍
- > 絵本・児童書・YA・学習
内容説明
自国では迫害の恐れ、そして命の危険があるために、安心して暮らしたいと願って日本へ来た家族。しかし日本で難民として認められず、しかも在留資格も認められずに「仮放免」となってしまいます。この家族に高校生のアズ・ブローマさんがいます。ブローマさんは「仮放免の子どもたちの絵画作文展」向けに「私は十五歳」という作文を書きました。「仮放免」は生活が制限されているために、ごく普通にできることもできないのです。例えば働くことも、また自分の住んでいるところからの移動などです。この作文ではそのような普通のことが「自分の夢」として語られています。この絵本を通して「仮放免」というものに関心を寄せていただきたく出版することとしました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
77
絵本。2023年の「仮放免の子どもたちのための絵画作文展」に出展された作文を絵本にしたもの。解説は全ふりがな。「人権」は尊厳ある自由な存在として人間らしく生きる権利で、人間であれば誰でも生まれた時からもっている権利。けれども現在の日本では「入管」において人権を無視した政策が行われいる。15歳の少女の未来を奪ってまで、入管は何を守っているのでしょうか。考えるきっかけになる絵本。2024.8刊2025/03/14
りんご
39
「やさしい猫」で知った単語が出てきます。「仮放免」。日本に在留する資格がない外国人は強制送還するか、入管に収容しておくべきところ、一時的に収容施設外にいていい状態。親が在留資格を持たなければ子も資格ない。この状態が何年も続いちゃうってのはおかしいな。一時的に、なはずだよね。絵本なので詳細は書いていないし、サクッと説明できる問題でもないもんね。問題提起です。2025/04/01
たまきら
36
週末にオーストラリア人の友達に花見に誘われ、駒場公園に行ってきました。来ている人はほぼ外国人だったのですが、田舎暮らしをしたいという人たちがいたので「牛久という町でのんびり開拓してる」という話をしたら、そこにいる人たち全員が「入管の町」として牛久を認識していました。トーマス・アッシュ監督のドキュメンタリー「牛久」を見ている人もいて、この国の外国人アレルギーを彼らの視点から久々に感じることができました。…もう彼ら無しで存続できない仕事もできてきているのに…。2025/04/06
まる子
27
入管の話は中島京子『やさしい猫』で涙し、佐々涼子『ボーダー』で激怒し、安田菜津紀『それはわたしが外国人だから?』で日本の入管制度を疑う。こんかいこの本(絵本)を読んで、今後外国人の労働力がないと日本は成り立たないだろう。なのに外国人が入管によって生きづらい国であってはダメだと感じた。多様性、SDGsと謳いながら、15歳が普通に暮らせない、ちょっと考え直さない?直した方が良い。難民と認めなさい!!いつまで仮放免にする気だよ💢2024/12/11
anne@灯れ松明の火
25
新聞記事を読み、新着チェックで予約。原案のアズ・ブローマさんは、自国では迫害を受ける危険があり、難民として来日したものの難民認定されずに在留資格を失い「仮放免」となっている高校生。なるかわしんごさん絵。「難民」という言葉は聞いたことがあっても、「仮放免」はないかもしれない。私も、ドラマで聞いたぐらいだった。そんな方、この絵本を読んでみて。15歳なら、普通にできることが、夢が、仮放免という枷に抑えつけられている。絵も、あえて地味な感じで、スルーしてしまいがちだが、手に取ってみてほしい。2024/09/22