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内容説明
取扱説明書や役所の書類など、読んでも頭に入ってこないという経験はないだろうか? 自分が未経験のことを読むのは難しい。一方、知っている事柄を読んで理解することは簡単にできる。ここには2種類の読み方―未知を読むベータ読み、既知を読むアルファ読み―がある。知のバイブル『思考の整理学』の著者が伝授する“読み方”の極意。読書や本にまつわる文章を増補し“新版”として登場。
目次
はじめに/序章/1 未知が読めるか/2 マニュアルがこわい/3 論語読みの論語/第I章/1 わかりやすさの信仰/2 スポーツ記事/3 自己中心の「加工」/4 音読/第II章/1 教科書の憂鬱/2 裏口読者/3 批評の文章/4 悪文の効用/第III章/1 アルファー読み・ベーター読み/2 幼児のことば/3 二つのことば/4 切り換え/5 虚構の理解/6 素読/7 読書百遍/第IV章/1 古典と外国語/2 寺田寅彦/3 耳で読む/4 古典化/5 読みと創造/6 認知と洞察/エピローグ「モモタロウ」解読/あとがき/附録/本とのつきあい/“半読”について/つれづれ/ふえる/整理/翻訳文化の中のことば
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
106
「思考の整理学」で有名な外山先生の最新刊。勿論、外山先生は既に鬼籍に入られますが。序章から中学生クラス一同から「文章が間違っています。直してください」と手紙をもらい、怒ってらっしゃる。何だか想像すると申し訳ないけど笑ってしまう。既に心を掴まれてしまった。うまいなぁ。…読書には読み方が2つあって、知っている事を読む「アルファー読み」知らない事を読む「ベータ読み」。知らない事を読む事は難しく嫌になってしまう事が多々あるけど、繰り返し繰り返し読む事が王道。素読もいいとの事。ベータ読みで世界を広げていきたいね。2024/06/27
こばまり
41
読めばいいというものではない。読み通せばいいという訳でもない。耳の痛い指摘ばかりであった。18の頃、父に「おまえの読書には背骨がないなぁ」と呆れられて以来、己を戒めてきたつもりだが、気付けばその場しのぎの楽しいα読みばかり。ガンバリマス。2025/07/17
のり
22
この本こそ何度も読んで咀嚼するべき文章なんだろうな。読書は元々音読だった。人類が黙読を始めたのは割と最近のこと、というのは、最近読んだ別の読書論の本にも出てきたから理解。読みやすさがウケるから、出版社も本を売るために、読みやすい出版物ばかり作ってる。既知を読むアルファ読みばかりしてると、未知の読みベータ読みを面倒に感じるようになる。おかゆばかりじゃなく、噛みごたえのある本を読もう。2024/06/30
家出猫
14
個人的な話で始めますが、書き言葉においては、とかく読みやすいことを求められて生きてきました。しかしながら、一般に読みにくいと言われる抽象的な文章にこそ、作者の創造と、読み手側の創作とのいわゆる合奏があるのだと、改めてハッと気付かされました。語彙力を増やすだけでなく、読めば読むほど味が出るような文章の使い手になりたいと同時に、これまでの自分の『読み』と新たな側面で向き合いたいです。また、何度も読み抜ける本、あるいは、途中で手を止めて違う機会に再読できる本に、これからも出合いたいですね。2024/11/23
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
12
読者のベーター読みが古典を創る2024/08/18