内容説明
学歴に見合うポストや報酬が得られず不満を抱いたエリートたちが反エリートに転化するとき、社会は崩壊に向かう――。数理モデルを用いて歴史にパターンを見出す「歴史動力学」の第一人者が、様々な時代・地域の分析を通じて現代社会と民主主義の行方を占う!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
145
粛清が繰り返されエリート階級が固定しなかったスターリン時代は、国家の新陳代謝が保たれたと旧ソ連出身の著者は見る。しかし粛清がなくなり支配階級が固定すると、急速に体制が老いてソ連崩壊という死を迎えた。現在のアメリカも市場原理と能力主義を唱えて富を独占するエリートと貧困化した大衆に二分され、エリート層に加わろうと望む若者が過剰生産される。しかしポストは大して増えず、敗れた脱落エリートが現状の制度や秩序破壊を望み急進化して断絶を加速するのだ。「アメリカは絶望したからこそトランプを選んだ」理由が明快に説明される。2025/04/08
absinthe
83
「歴史動力学」=クリオダイナミクス(複雑系の応用研究らしい)の研究者による歴史研究。頑張れば国王・大統領の座を狙えそうなポジションをエリートと定義して、エリートが過剰に増えると国家に内紛が起きる。エリートが多い場合、生産力は一見向上するが底辺の所得は実は低下する。騒乱でエリートがいなくなると安定期に入ってエリートが少しずつ増えていく。この周期が歴史上クリ代えてきたというのが著者の分析。2026/02/24
りょうみや
32
歴史をデータ分析でモデル化する歴史動力学を創始したという著者。過去に崩壊した国家の共通点をあぶり出している。エリート達上位層と庶民との格差が広がることだけでなく、そのエリートが増えすぎてエリート間での争いが起こることが革命に繋がるという視点が新しい。骨のある内容だった。歴史もこのように理系化していくのだろうか。アメリカが中心でロシア、中国、欧州は取り上げられているが、今の日本はこの基準でどのような状態なのか知りたい。2025/02/01
naka
22
世の中の二極化が極端になることが、革命や内戦、滅亡につながるというのが著者の考えです。上位のエリートの中では競争が激化し、そこから落ちこぼれた人が下の階層の不満を持った人たちとつながることによって、国が滅びたり革命が起きたりするといった流れを説明しています。 面白いのが、今のアメリカやロシア、ウクライナ、中国についてなども、こうした考えに沿って分析がされているのが興味深いです。 2025/01/14
harumi
17
『複雑な人間社会をうまく機能させるには、統治者、行政官などのエリートを、全員の利益のために行動するように抑制することだ』。やはり選挙に行く、投票する、ということが肝心要なのだということがよくわかりました。紀元前から現代まで、ヨーロッパアジアアメリカと縦横無尽に国家の盛衰を持論で解説しているのでとても面白く読めました。2025/02/23
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