内容説明
「女の立場」に固執することは,もはや不毛である。性の平等を指向する普遍的価値観へ,いま発想の転換を促す。90年代フェミニズムの画期を示す斬新な視角からの問題提起。
目次
はしがきにかえて
-フェミニズムは「女のもの」か-
「商業主義」化批判の陥穽
-普遍的な価値前提の明示化を-
1 フェミニズム論の現在
2 フェミニズムは商業主義化したか
3 商業主義批判とはなにか
4 有名人フェミニストを生んだ背景
5 フェミニズムのとまどい
6 暗黙化されてきたフェミニズムの価値前提
7 普遍的価値前提の明示化は危険か
8 フェミニズムに参入する女性たち
9 いかにして価値前提を明示化していくのか
10 フェミニズムの九〇年代
I
ラディカル・フェミニズムの再興
1 マルクス主義フェミニズムはラディカル・フェミニズムを乗り越えたか
2 ラディカル・フェミニズム理論とは何か
3 社会理論における革新
4 ラディカル・フェミニズム理論の革新性
5 精神分析から行為分析へ -フロイトを越えて-
フェミニストは労働がお好き?
1 フェミニストは労働がお好き?
2 家事は労働か
3 労働/非労働の政治学文脈から見た家事労働論
4 女性身体と労働カテゴリー
5 労働神話の解体に向けて
簡単なようでむずかしい女らしさ批判
1 トランス・セクシュアリティの二重性
2 フェミニズムはラディカルでスキャンダラス
3 女らしさイメージの否定という性の越え方
4 フェミニスト・イメージヘの反発と抵抗
5 警戒解除信号としての女らしさ
6 身体に合わない窮屈な少女性
反フェミニズム意識の台頭
1 素直な若者たちとフェミニズム
2 フェミニズムが命令する?
3 個人生活介入拒否と反フェミニズム意識
4 「私はフェミニストではない」
5 個人のアイデンティティ・性別カテゴリー・フェミニズム
6 反フェミニズム意識とフェミニスト男性憎悪説
7 フェミニズムは女性カテゴリーから離れるべきか
女性学の定義をめぐって
1 女性学の発展と現状
2 女性学への疑問
3 女性学の定義をめぐる二つの立場
4 研究主体としての女性
II
セクシュアル・ハラスメント分析講座入門
1 セクシュアル・ハラスメントを勝手に解読する
2 セクシュアル・ハラスメントってなあに
3 セクシュアル・ハラスメントはなぜむずかしいか
親しさといやがらせは分けられないか
1 ほとんどの女性は親しさといやがらせを区別している
2 性にかかわる話題は女性を傷つけがち
3 女性たちの性的関心の構造は男性とは異なる
4 女性はだれもみな違う
5 セクハラは個人的好き嫌いの問題か
6 公正で寛容な社会規範に向けて
不適切な服装とセクシュアル・ハラスメント
日常生活の道徳性
III
よい結婚の二つの意味
-男性結婚難時代の女性の選択-
1 女性たちは二つのよい結婚の間を揺れ動いている
2 経済的資源も時間的資源も手放せない
3 女性の判断基準の変化に気づいていない男性たち
4 男性たちにもダブル・バインドがかせられはじめた
5 欲張りな要求がよりましな未来につながる
つくるものとしての家族
1 つくるものとしての家族
2 核家族の向こう側
3 家族間の連帯へ
変わらない男性・変わる男性
天皇の具体の身体を見据えることが第一歩
ほか
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- 狂師~チートスキルで落ちこぼれ更生~【…
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