性の商品化

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性の商品化

  • 著者名:江原由美子
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2024/10発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326651665

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内容説明

買売春、ポルノと表現の自由、ダイエットなど<性の商品化>といわれる多様な問題群をどのように考えればよいのか。是非を問うのではなく、何が問題なのかを明らかにする。

目次

はじめに

第一章 <性の商品化>は道徳的か[永田えり子]
 1 はじめに
 2 売春は必ずしも人権侵害とはいえない
 3 「好きでやってるんだから、よい」とはいえない
 4 快か不快かは水かけ論になる
 5 道徳が、何が権利かを決めている
 6 性道徳は健在である
 7 <性の商品化>は非公然性の原則に反する
 8 ゆえに、性表現が自由であるべきだ、とはいえない
 9 性道徳が商品化への不快を生む
 10 上品な社会へ向けて
 11 最後に

第二章 <性の商品化>と表現の自由[紙谷雅子]
 1 ポスターは女性に対する差別的表現?
 2 表現の自由と猥褻
 3 「ポルノ」と表現の自由
 4 「ポルノ」と「公共の福祉」
 5 「ポルノ」ってなに?

第三章 潜在的商品としての身体と摂食障害[浅野千恵]
 1 はじめに
 2 女性はなぜ痩せようとするのか
 3 「潜在的商品」としての女性の身体
 4 「異性愛」という暗闇の中で
 5 おわりに

第四章 性的奴隷制からの解放を求めて[川畑智子]
 1 はじめに
 2 橋爪大三郎「売春のどこがわるい」について
 3 <性の商品化>と性的奴隷制
 4 「娼婦」ラベルとは何か
 5 「強姦神話」にみる女性のイメージ
 6 売春女性に対する性差別
 7 売春防止法の意義と本質
 8 おわりに

第五章 売買春をめぐる言説のレトリック分析――公娼・廃娼論争から<性の商品化>問題へ[赤川学]
 1 <性の商品化>という問題
 2 <性の商品化>の前史としての廃娼問題
 3 売買春問題におけるセクシュアリティとジェンダー
 4 売買春そのものの是非をめぐる論争
 5 売春行為は自由意志か強制か
 6 <性の商品化>批判のゆくえ

第六章 何が<性の商品化>に抵抗するのか[立岩真也]
 1 何を問うか
 2 「自由」はこの社会の最高の原理ではない
 3 「自己決定」は正当化されない
 4 何が譲渡に抵抗するのか
 5 「ロマン主義的」な解答
 6 性の切り離し制御しつくせるか
 7 他者の現れを拒めるか
 8 何を買っているのか
 9 「同意」は何も消し去りはしない
 10 考えたことと考えなかったこと

第七章 <性の商品化>をめぐるノート[加藤秀一]
 1 商品である性と商品でない性
 2 「よい性の商品化」論の批判
 3 <性の商品化>とは何か
 4 結語<性の商品化>の未来

第八章 商品としての性――自由意志・身体・ジェンダー[江原由美子]
 1 橋爪・瀬地山論文の波紋
 2 人権概念による「性の商品化」の議論は有効か――永田論文をめぐって
 3 「女性のため」という名目によるポルノ規制は有効か――紙谷論文をめぐって
 4 「性の商品化」は女性に何をもたらしているのか――浅野論文をめぐって
 5 売春への偏見が売春女性を苦しめているのか――川畑論文をめぐって
 6 「性の商品化」というレトリックの可能性と限界――赤川論文をめぐって
 7 同意があれば「買春」してよいと言えるのか――立岩論文をめぐって
 8 性が「商品」であるような社会とはどういう社会なのか――加藤論文をめぐって
 9 「性の商品化」に関わる議論はどこまで進んだか

参考文献
執筆者紹介

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みか

2
「性の商品化」をテーマに、複数の論者が寄稿しています。収録されている諸論文では、「性の商品化」の定義がそれぞれ異なりますが、次のように分類できるのではないでしょうか。①狭義の定義:売買春としての性商品、②広義の定義:OL、ミスコンなど社会のすべての女性の立場が商品化されている。注意すべき点は、家事労働の「有償化」問題と、「性の商品化」問題を混同してはいけないことです。2007/03/16

○○○ ○○

1
現在ネット上でやり取りされている論争は25年以上前のこの本でほとんど先取りされている。売買春をめぐる議論が中心でポルノグラフィに関する議論が若干薄い点、同性愛に対する偏見や従軍慰安婦の問題が全く検討されないなどの欠点があることに細心の注意を払って読む必要はあるものの、堂々巡りの議論に巻き込まれない程度に論点を整理することができる。最後の江原論文が本全体のまとめを兼ねているのでまずはそこから読むのがおすすめ2021/02/07

かいちょう

1
二論文よんだ。 なぜポルノはいかんのかが分かった。2018/08/17

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