フェミニズムのパラドックス

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フェミニズムのパラドックス

  • 著者名:江原由美子
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  • 勁草書房(2024/10発売)
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  • ISBN:9784326652419

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内容説明

『装置としての性支配』(1995年)につづく第5論集。90年代後半から今日までのフェミニズム、ジェンダー論を中心とした著者の代表的な仕事を収める。「女の時代」と呼ばれた80年代から一転して90年代のフェミニズムは、普及と拡散という事態に直面し、フェミニズム離れという現象すら起きている。少子化、晩婚化、経済不況の深刻化のなかでフェミニズムがかかえている課題を明らかにする。総論から各論へ、女性全体の問題から個別の問題へ、という時代の変化の意味を探っていく。性の商品化、性暴力、自己決定、セクハラなどの問題群をどう考えればよいのか。

目次

はじめに

I

日本のフェミニズムの現在
 1 普及か拡散か
 2 戦後日本社会における女性
 3 九〇年代の女性
 4 九〇年代フェミニズム
 5 遅すぎた改革――日本の社会は活力回復に女性の力を生かせるのか

女性学・フェミニズム・ジェンダー研究
 1 第二波フェミニズム運動と女性学
 2 日本における女性学の成立と主婦研究――女性学創出期
 3 性役割研究からフェミニズムへ――フェミニズム理論導入期
 4 女性学からジェンダー研究へ――ジェンダー研究創出期

ジェンダーと社会理論
 1 ジェンダーというパースペクティブ
 2 ジェンダー概念をめぐって
 3 性役割の理論――第一のジェンダー概念のパースペクティブ
 4 ラディカル・フェミニズムとマルクス主義フェミニズム――第二のジェンダー概念のパースペクティブ
 5 性別秩序の理論――第三のジェンダー概念のパースペクティブ

女性と表現
 1 なぜ表現なのか
 2 変わりつつある女性表現

女性の経験や思いに焦点をあてる
 1 家族をどうとらえるか
 2 研究にどうとりくむか

フェミニズムから見た丸山眞男の近代
 1 フェミニズムにおける日本的特質批判
 2 日本におけるポストモダン・フェミニズムのねじれ
 3 フェミニズムから見た丸山眞男の近代

II

自己定義権と自己決定権――脱植民地化としてのフェミニズム
 1 はじめに
 2 名前のない問題
 3 フェミニズムの社会学批判――ドロシー・スミスの場合
 4 フェミニズムの道徳言語批判――キャロル・ギリガンの場合
 5 近代性批判としてのフェミニズム
 6 脱植民地化としてのフェミニズム
 7 自己決定権と自己定義権

自己決定をめぐるジレンマ
 1 はじめに
 2 自己決定権という問題を考える際に前提とされるべきいくつかの論点について
 3 自己決定権をめぐる議論の錯綜

III

セクシュアル・ハラスメントの社会問題化――性規範との関連で
 1 はじめに
 2 解釈装置としての規範
 3 合意/強制の解釈装置におけるダブル・スタンダード
 4 女性はどのように「性行為を強要された」と言えるのか
 5 セクシュアル・ハラスメントの社会問題化は何をしていることになるのか

〈アカハラ〉を解決困難にする大学社会の構造体質
 1 大学は男性支配の社会
 2 大学組織と研究者集団の二重性――加害者が行使しうる権力の二重性
 3 支援者を得にくくさせる大学組織の構造体質

キャンパスにはびこるジェンダー・ハラスメント
 1 女が勉強してどうするの
 2 女性院生に与える深刻な不安
 3 性的分業を前提とした学問観
 4 閉鎖された場所での激烈な競争
 5 差別意識を生み出す不公平な扱い

IV

家族のコミュニケーション――情報化社会の中で
 1 はじめに
 2 家族間コミュニケーションの現状
 3 情報化が家族のコミュニケーションに及ぼす影響
 4 家族を語る時代へ――家族のコミュニケーションのゆくえ

家族の危機――性別役割分担否定論は、元凶か解決策か
 1 林氏と山田氏の論点
 2 両者議論の相違点
 3 パラサイト・シングルと家族問題
 4 今、本当に必要な議論とは

男子校高校生の性差意識――男女平等教育の空白域
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sho / right27

2
最初のフェミニズムの歴史の整理が分かりやすくてありがたかった。20年以上前に出た本だけど今じゃん!となることがたくさん。ただ最後の家族についての部分は時代の流れのせいか急に切れ味が悪くなってる感じがあった。高校生へのアンケート調査の章は今だとSNS上の振る舞いをデータとして使えそうだなと思ったり(それが「実態」なのかは微妙なところだし+αの調査が必要そうだけど)。2022/03/06

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