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内容説明
本書で取り上げる4人の漫画家、白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎。いずれも個性的な作品を描き続け、今も熱狂的なファンを持つ。何より後続の漫画家(志望者)を惹きつけ、畏敬され、その遺伝子が次世代のポピュラーな表現を形作ってきた。彼らはどんな方法で時代を掴み取り、本質を抉る表現に到達したのか。その作品はどう社会を動かし、変えたのか。作品と生涯を通し昭和戦後から現在に至る日本の精神史を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホークス
35
2024年刊。四作家の評伝として面白い。白土は人間の暗い業を描く。画家だった父は特高警察の拷問を受けた。むごい搾取から弱者の狡猾まで、視線に甘さが無い。つげ作品の生活苦はリアルだが教訓は無い。「自分の欠けて失われていた破片のような、不穏な懐かしさがある」と著者は言う。男にとって隠れ家、無目的な旅、蒸発願望は同じとも指摘する。吾妻に対する「SFと戯れる喜びを表現し、現実や妄想との新たな付き合い方を生み出した」の評価に共感。二次元を楽園にしたのは吾妻ではないか。著者の愛するつげの頑なさ、吾妻の緩さを私も愛する2024/12/16
ヒデキ
27
著者、初読みでした。 ちょっと、苦手かも?と思ってしまいました。 申し訳ありません2024/10/28
akihiko810/アカウント移行中
22
白土三平、つげ義春、吾妻ひでお、諸星大二郎の4人の漫画家の評論。印象度A- マニア受け、玄人好みの漫画家4人。漫画の作風としては四者四様なので、ひとまとめでくくるのは難しいが、後者2人(吾妻と諸星)は「男版・花の24年組」(昭和24年生まれ)らしい。前者2人(白土・つげ)のつながりは、「ガロ」ということか。 白土、つげの評論は他に結構あるが、吾妻と諸星の作家論・作品論は珍しい。全部の作品を知ってるわけでもないので、知らない作品でも重要なのがあって面白かった2024/12/14
阿部義彦
18
筑摩選書『SF少女マンガ全史』(レビュー済み)で同時代(一歳違い)の漫画読みとして共感した著者が今度はカリスマ男性漫画家4人を通じて読み解く「日本の精神史」白土三平は、小学時代に買った週刊誌で、子供の惨殺死体の描写が嫌で頁を糊付しました。今でも苦手かも。つげ義春と吾妻ひでおはもう、思い入れが半端ないです。お二人共『私漫画』的側面も強いですが、そこに思想や人生訓を一切入れなかった。そして唯一現役の諸星大二郎さん、諸星あたる君の命名の元だと分かる人居るかしら?吾妻さんは、二次コンSFそして私漫画の三銃士!2024/09/23
Asakura Arata
7
あまり読んだことのない諸星大二郎の作品を読みたくなった。カリスマの生んだ作品を触れた後に、自分が見ている世の中の景色が変わるということだな。2024/10/20