内容説明
《 NHK BSスペシャル「FIND MY LIFE ──戦後78年目のGIベビーたち──」出演 》
「一人ぼっちで生きてきた。」──私を産み、そして捨てたお母さんに一目会いたい。
〈 歴史に翻弄された女性のルーツと家族をさぐる渾身のノンフィクション 〉
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新宿三丁目の小さな飲み屋。
一目で白人とのハーフであることがわかる女性「ベルさん」が、身の上話をする。
ベルさんは戦後間もなく生まれ孤児院で育ち、ストリッパーとして全国を回り、その後はホテルの清掃員など様々な仕事についた。
いま、「迎えに来る」と言ったのに現れなかった母に、会いたい思いが募る──。
* * *
作家・岡部えつは「ベルさん」の生きてきた足跡をたどり、消えた母親の調査に乗り出す。
その旅は意外な展開を見せ、横浜、北海道、そしてアメリカへとつながり……。
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【目次】
第一章……記憶
第二章……調査・二〇二二年
第三章……母
第四章……猜疑心
第五章……家族
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおかみ
7
GIベビーの物語は本当ならばもっと多く存在するはずだ。だが、その生涯があまりに過酷なためか、残されている証言は少ない。まずもって本書の記録的価値は大きい。様々な幸運に恵まれて一冊の本になったが、惜しむらくは著者がノンフィクションの書き手でないこと。取材が表面的なものに終始し、問題の本質に迫ることは適わなかった。それでも当事者たちは幸福だっただろう。個人史に留め置くのか、戦後史に昇華するのか、どちらが正解というものではないかもしれないが、戦争を語ることの難しさを改めて感じた。2024/08/09
ビーグル犬大吉
1
シリアスなテーマだが、まるでミステリー小説を読んでいるようだった。次々に明らかになっていくベルさんの出自。マスコミの傲慢な対応や異父兄弟との確執等、紆余曲折を経て母に辿り着くまでの展開は素晴らしいと思うが、いささか美化しすぎている気がした。堤幸子が本当にベルを愛していたのなら、施設に来た時引き取って米国に連れて行くべきだった。私にはベルさんが母親からも祖母からも捨てられたとしか思えなかった。人が信じられず、ずっと家族を持てなかった彼女が亡くなった母親を少しも恨んでいない結末に、私は違和感を持ってしまう。2024/03/30
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2024年3月初版。書き下ろし。GIベビーである堤麗子さんの母親・肉親捜しのノンフィクション。ノンフィクションというよりは、麗子(ベル)さんよりも、著者の存在が前に出過ぎている感じがしました。色々な人生を送っている人がいるのです。2024/03/30
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